敵と言われても君がいるから (ページ11)

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⑨だこらあ！ページ11

｢夜月って、なんだ？｣

突然半分野郎が訳わかんねえことを言い出した。
夜月は個性で逃げやがるムカつく根暗女のことだろうが！

｢うるせえ、俺が知るか！｣

｢……そうか｣

とりあえずぶっ飛ばしたい。
……だが、マジであいつは何なんだ？

個性のせいであまりあいつ自身が良くわからねえ。
これじゃ精神面での弱点が見つけられねえ！

いつもぼんやりしていてあまり喋らない。
喋ってもあーだの、うーだの、中途半端な受け答えしかしねえ。

だが、個性はめちゃくちゃ強い。
昼間であのくらいなら夜の強さは半端ではないだろう。

｢マジでわかんねえ！クソが！！｣

｢落ち着けよ爆豪。ていうか、夜月のこと考えすぎだろ。｣

｢うるせえ！とりあえずあの根暗女の弱点考えろや！｣

｢はいはい。弱点探してるだけとはいえ、常に夜月のこと考えてるなんて、乙女だな｣

ボンッ！

｢誰が乙女だごらあ！｣

｢わ、悪い悪い！乙女じゃねえよな、うん｣

｢……チッ｣

切島の野郎ふざけてやがる。
誰が乙女だ。
人がイラついてる時にクソが！

とりあえず嫌がらせする前に逃げられないようにして……

｢……あ｣

｢嫌な笑顔だな……｣

待ってろよ根暗女！