26Love ページ26
研磨side
AからのLimeを見て
知らせに行けば夜久くんの笑顔をみた
その笑顔を何故Aに向けないのか
無性に腹立たしかった
手に入れたなら大切にしてほしかった
気持ちがないなら別れればいい
けど逃げは卑怯だ
Aの家に走りながら
道端で倒れていないか不安だった
車椅子すら置いて帰ったA
きっと夜久くんの笑顔が
自分ではない人に向いているのを知ったのだろう
息切れしながら玄関を開ける
シーンとした一軒家
2階に駆け上がり
Aの部屋を開けようとしたらドアは開いたままで
「……A」
と呼べばシーンとしていたが
暗闇の中、ベッド脇に
倒れるAがいた
「A!」
名前を呼び抱き起こせば眠るA
涙が伝っていた
顔面から落ちたのか
鼻とおでこが赤くなっていた
抱き上げベッドに寝かせクロにLimeで無事を伝えれば
すぐ行く。と短い返事だけきた
昨日なにがあったのか。
何を見たのか
何に焦ったのか
分からないけど
何となく分かって
哀しかった
早く笑わせたい
早く笑ってほしい
どうか泣かないで
ギュッと抱きしめ
柄にもなく大泣きした
Aはそんな中も目を覚ます事はなかった
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作者名:椎名りら | 作成日時:2018年3月13日 4時