24Love ページ24
「……」
あの告白を目撃したのは病気を知った
次の日だった
誰にも言えずにいた
更に次の日
珍しく午後も寝ていない私に
毎日休み時間の度に会いに来る
クロも研磨も海さんも倒れないか
具合悪くないかとヒヤヒヤしていた
けど
そこに彼は居なくて
目線を遠くの窓に移せば
廊下に2人の姿
笑いあって楽しそうに話していた
私にはそれは出来ない
私はだいたい寝てる
私は話せない
夜久さん
夜久さん
夜久さん
そばにいて……
毎日練習した
けど私はきっと困らせている
私の声はきっと届かない
それでもやっぱり簡単には引き下がりたくない
だから次の日の放課後急いで夜久さんの元に向かった
久しぶりに、びっこ足を頑張って動かした
けどやっと着いた3年の階
遠くには夜久さんの姿
2年の可愛い先輩と笑い合っていて
夕日に照らされる2人は
まるでお似合いなカップルに見えた
可愛い容姿に
可愛い声
羨ましかった
学年が違う研磨とクロが教室にいない私に
焦ってさがしているようで
Limeを返信して私は1人帰宅した
帰宅しベッドに横になる瞬間
グワンと視界が廻り
気絶したように倒れ込んだ
夢の中で
雪の中誰かが去っていく姿がみえた
必死に走った
必死に追いかけた
必死に追いついた
叫べば
声は出なくて
掴んだ服の裾は母かと思ったのに
夜久さんだった
冷めたような冷たい眼差し
どくりと突き刺さる
要らないの言葉
哀しかった
なのに声をあげて泣くことも出来ない
なんて惨めなんだろ
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作者名:椎名りら | 作成日時:2018年3月13日 4時