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12Love ページ12

黒side


夜ご飯だからA呼んでこいと母に言われ

研磨とAを呼びに部屋に行く

自室にいるはずなのに

電気が付いていなかった

寝ているのかとそっとドアを開ければ



ベッドに座り喉を抑えながら口をパクパクしていた


その姿が




あまりに儚く



哀しかった


一生懸命口にしてるのは


やくさん



手話の本や、読唇術など皆で練習し始めていた



だからわかる




必死に好きな人の名前を呼んでいるのが






研磨と静かにみていたが


やがてAが苛立ち布団を叩き泣き出したのを見て


見てる俺達が泣きそうになった


こいつが泣いたのは何時ぶりだろうか



あー……Aの母が出ていった時以来か


泣き叫んだあの日以来

久しぶりにみた泣き顔

何があっても泣かなかったA


人に頼ることが下手くそで

いつもひとりで泣いている


ヒューヒューとAの口からでる空気の音が


哀しかった


気づけば研磨とAの元に行き落ち着くまで暫く3人とも話さずに居た

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作者名:椎名りら | 作成日時:2018年3月13日 4時

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