3 YOU ページ3
毎日決まった時間に現れるちょっと不思議なお客様
YG「肉まん1つ」
この決まった7文字が私を何故か勇気づける...
野良猫のような雰囲気があるお客様。
私は気がつけば彼に恋をしていました。
「ありがとうございました！」
元気よくお礼を言うと少し口角が上がるお客様
その表情をずっと見てたくて
毎日大きな声でお礼を言う...
そんなある日...
あと少しで野良猫Timeだ。
私は彼が来る時間を野良猫Timeと言うようになった
しかし今日は肉まんが売り切れていた。
慌てて冷凍庫から肉まんを取りだし
レジ前の容器に移す...
これじゃあ間に合わない...どうしよ
そうだ！
私はレジ横の少しのスペースに
スタッフ用の小さな椅子を置いた。
これでよし！
ピコピコピコピコ〜
そう言っていつもの出入口から黒い財布をもって現れるお客様
「あの...今日肉まん売り切れてて」
お客様は笑い出す
その歯茎を見せながら笑う猫ちゃんは
ほんとにただただ可愛かった
椅子の事や言い訳とかしてるうちに肉まんは出来上がる...
まだ話したい。ずっと話してたい
待たせる訳には行かないか...
いつもの笑顔で肉まんを渡す。
「明日もぜひ！いらしてください！」
彼が居なくなった椅子を片付ける時に気づいた
これって恋なんじゃ...。
そうだ。私、今日ここのバイト終わりだった...
彼に会えなくなるのがわかると急に胸が苦しくなった
彼は毎日ここに来る
あの時間に、
引越しの片付けや手続きなど初めての引越しはとても大変でファミレスに行くほど余裕がなかった。
彼のことを考えながら横断歩道を渡る
目の前に近ずいてくる黒い財布
猫...
「あの！！」
気がつけば話しかけていた
色々あってカトクを交換し、彼が
ユンギ。
という名前だということはわかった。
これからどうしよう
︰明日ファミレスであえませんか？
ユンギさんに明日ちゃんと思いを伝えよう...
ユンギさん。受けとめてくれるかな...
運良く付き合えたりしちゃって笑
ユンギさんに早く会いたいな...
ファミレスでお互い引かれた私たち
暗い道路をユンギのバイクで豪快に進む
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作者名：えむ字フック | 作成日時：2020年6月1日 20時
