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「A？今からドライブでも行くか...」
YOU「え！？いいよ、もう暗いし...」
そんな遠慮気味に言う彼女の目は
ドライブに行く気満々だ...
「早く乗れ...」
そう言って俺はバイクにまたぎ
エンジン音を夜の街に響かせる...
YOU「ちょっと待ってー！」
「はやくしろよ...笑」
俺たちは夜の街にバイクを走らせた。
こいつと初めて出会ったのは
小さなファミレス...
そのファミレスの肉まんを毎日買いに行く俺。
YOU「120円です」
「はい」
そう言って渡し
YOU 「ありがとうございましたー！」
なんて威勢よく放たれる感謝の言葉
何気にその威勢がこもった肉まんが大好きだった
それからしばらく
いつものように肉まんを買う...
YOU「あの...今日肉まん売り切れてて」
まだ何が欲しいかも言ってないのにそういう彼女
「笑笑」
自然と笑いが込み上げる...
YOU「ほんとにすみません！あと5分で出来上がるので！こちらにおかけください！」
そう言って案内された、いつもは無い
小さな椅子...
「なにこれ...笑」
YOU「今日肉まん売り切れちゃって、どうしよう！ってなって、お客様が来る前に用意して！急いで作ろう！と思いましてですね...」
なんて熱く語る間に肉まんは出来上がる
YOU「できました！」
すごい笑顔で熱い肉まんを丁寧に紙に包み
レジ袋に入れてこっちに持ってくる
「あ、わざわざありがとう」
YOU「いえ！明日もぜひ！いらしてください！」
その笑顔に引かれて行った俺...
次の日
いつもの時間にファミレスに寄る
男「いらっしゃいませー」
あれ？
あの女は？
「肉まん1つ」
男「120円です」
いつもの女とは違う、低い声が気持ち悪い...
その次の日も...
また次の日も...
彼女がそのファミレスのレジに立つ日はなかった
会いたい
なんて思ったのはいつぶりだろうか...
俺は彼女が好きだったんだ...
彼女が居なくなって1週間、その思いに気づく
「おせーよ」
彼女を探し続けて２ヶ月が経ったある水曜
横断歩道をぼーっとしながら歩く俺...
何してんだよ...笑
「あの！」
その声は威勢が良すぎて頭の中に響き渡る
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作者名：えむ字フック | 作成日時：2020年6月1日 20時
