フジルート6 温もり ページ43
「わぁ…大きなお家…」
「親がそこそこお金持ってるみたいでー」
「みたいって、自分のお家でしょ？」
「うーん、それもそうですね」
部活終わり、私はヒラ君の家の目の前まで足を運んでいた。
そこには、一軒家であり三階建てであり、且つしっかり横幅に奥行きもある、広い家が鎮座していた。
あはは、なんてふんわりと笑いながら、ヒラ君がドアに手をかけた、その時。
「何やってんだよ」
後ろから、声が聞こえた。
その声に、ヒラ君がほんの少しだけ首と目を後方に向ける。
その瞳は、悪寒を感じさせるような鋭い目つきであった。
私が思わず息を呑むと、ヒラ君は笑うように言う。
「えー？何って、先輩と俺のお家で遊ぶだけだけどー？」
「っだから、」
「何がいけないの？」
これが所謂修羅場、だろうか。
私を挟んで男の子二人が口論をしている。
おお神よ。これはどうしたらよいのですか。
この状況にどうすればいいかわからず突っ立っているうちに、口論はエスカレートする。
「お前、わかっててやってるだろ」
「…何のことだろう。わかんないなぁ」
「ヒラ、どうして」
「どうして？それはこっちのセリフだよ。
…どうして、諦めないの。もう、もう俺達は十分やったよ、もう！」
「ヒラ！！」
その内容は、どうも私を取りあっている内容では無かった。
少し勘違いしていたことに恥を感じると共に、彼らが何を話しているのかわからなくて、ただでさえ突っ立っていただけの私が更に話題に置いてけぼりにされる。
否、されていた。
「とにかく、ヒラの思うようにはさせないから」
「…へぇ」
「…え」
気付けば、私はフジに引き寄せられ、その胸に抱きとめられていた。
「行こうか、Aちゃん」
私が戸惑っている間に、フジは私の手を握り締めて走り出す。
ヒラ君はそれを見ているだけで何もしなかったし、言わなかった。
振り返らず走るフジの手に、私の手はぎゅうと、強く、強く握られる。
その温もりが、酷く暖かい。
それに心が和らぐ私と、前に見たフジと一緒に居た女性もこの温もりを知っているのかという嫉妬心を抱く私が、私の胸をチクチクと突く。
苦しい。
けど、いつの間にかフジのことをそれくらいに好きになってしまっていた。
画面の中だけでのゲームでは感じられない温もりを感じて、私は少しだけ。ほんの少しだけ。
この世界に来て良かったと思った。
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るよ - 羽飛さん» 返信遅れました…すいません、 リジェネかけてくださるんですか!w ありがとうございます笑＿(ニヨニヨにツボってました。 (2019年5月22日 21時) (
レス) id: bba6c5cf8b (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - るよさん» 死なないようにずっとリジェネかけます！wコメントありがとうございます、では私はニヨニヨしながら書きますね！← (2019年5月5日 15時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
るよ - ヤバいですね…。この話が好きすぎて死にそうです。(※ほめてます)作者さんのペースでいいので更新頑張って下さい!にやにやしながら待ってます笑 (2019年5月5日 13時) (レス) id: bba6c5cf8b (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 猫山さん» フジですぅー！フジはお色気担当として！甘々にしたいなぁと考えておりますので！頑張ります！コメントありがとうございました！ (2019年4月13日 18時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
猫山(プロフ) - フジルート来たァー！！推しですもう好きです。もちろんキヨルートもバッチリ見てきました！これからの更新楽しみにしてまっす！ (2019年4月13日 7時) (レス) id: b1e365017e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽飛 | 作成日時：2019年1月23日 18時
