キヨルート11 海辺 ページ34
「え、」
着信音はキヨのスマホから鳴っていた。
キヨは、大きな溜息をついたかと思うとそのまま通話を切ってしまった。
「出なくていいの？」
「ああ。どうせ親だから」
「いや出なきゃ駄目でしょ」
「いーんだよ。
…あんなの、他人なんだから」
キヨは、恨めしい物を見るような目で海を見つめて言う。
親を他人、だなんて…
家の事情、と言われてしまったら私には何も言えないしわからないが、それでも私は多大なる違和感を覚え、少し身体が震えた。
考えても答えがわかるはずなんてなくて、俯いていると、キヨが息で笑ってから私の頭を少し乱暴に撫でた。
驚いて顔を上げると、先程までとは一変、いつものように笑ったキヨの顔がそこにはあった。
「そんな顔すんなよ。
…俺はお前には笑っていて欲しいんだ」
月の明かりに照らされた、優しい気な瞳の中に暖かい光を灯した朗らかな笑顔。
それに見惚れていると唐突に身体が宙に浮く感覚がして…て、
え
「ちょ、な、下ろして下ろして！危ない！重い！」
「下ろさねぇよ！俺が抱えてんだから危なくないしお前は重くない！」
私の脇の下に手を入れ、私をひょいと持ち上げくるくると回るキヨ。
突然のことにあわあわしていると、キヨが今度は悪戯っぽく笑った。
「その顔。その楽しそうな顔が、好きなんだよ」
その声に、どくり、と心臓が跳ねた。
次の瞬間、ぐらりと視界が揺らぐ。
「っやべ、」
「わぁぁぁ！？」
キヨが足をぐらつかせたようで、私達は海にぱしゃりと飛び込んだ。
目を瞑っていた私にはわからないが、キヨが上手いこと支えてくれていたようで、痛み無く海水を背に寝転がっていた。
ほら、危ないって言ったじゃん！
そう言ってやろうと彼の方を見て気付く。
彼が、熱を帯びた視線で私を見下ろしていることに。
「なぁA」
もしこれが普通のゲームで、今見ているこの景色がスチルなら。
私は全力で余裕の無いキヨの顔好きぃぃぃ尊いぃぃぃと叫んでいただろう。
だが、今はただただ見つめるしかできないくらいに。
海水によって濡れたしっとりとした髪は、彼の後ろにある星空よりも綺麗に、そして艷やかに輝いていて、瞳には誠実さを物語るように私のみが映されていた。
キヨは少しずつ私に近づく。
私の左耳にそっと唇を付けて、そこで彼は言った。
「…好きだ」
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るよ - 羽飛さん» 返信遅れました…すいません、 リジェネかけてくださるんですか!w ありがとうございます笑＿(ニヨニヨにツボってました。 (2019年5月22日 21時) (
レス) id: bba6c5cf8b (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - るよさん» 死なないようにずっとリジェネかけます！wコメントありがとうございます、では私はニヨニヨしながら書きますね！← (2019年5月5日 15時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
るよ - ヤバいですね…。この話が好きすぎて死にそうです。(※ほめてます)作者さんのペースでいいので更新頑張って下さい!にやにやしながら待ってます笑 (2019年5月5日 13時) (レス) id: bba6c5cf8b (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 猫山さん» フジですぅー！フジはお色気担当として！甘々にしたいなぁと考えておりますので！頑張ります！コメントありがとうございました！ (2019年4月13日 18時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
猫山(プロフ) - フジルート来たァー！！推しですもう好きです。もちろんキヨルートもバッチリ見てきました！これからの更新楽しみにしてまっす！ (2019年4月13日 7時) (レス) id: b1e365017e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽飛 | 作成日時：2019年1月23日 18時
