志麻ルート1 隣 ページ41
(共通ルート21から繋がってます)
「てわけで、毎日登下校には俺がついとりますからね」
「…はい、なんかすみません」
家に帰ってきて、志麻さんお手製の肉じゃがを食べながら話す。
我儘を言ったことからくる罪悪感で彼に頭を下げれば、爽やかな笑みをもって返された。
「お嬢が気にすることはありませんよ。
寧ろ、よくよく考えたらこれからは後ろをつけるのではなく堂々とお嬢の隣を歩けるってことで、俺的には願ったり叶ったりです」
本当に爽やかな笑みでちょっとひく。
登校するにあたって、これまで以上に私への警備が手厚くなった。
志麻さんを常に近くに置き、且つ文房具やヘアアクセサリーに扮したGPS、志麻さんやセンラ先生にSOSを飛ばせる防犯(?)ブザー…どこのお坊ちゃんだ。
いや、ヤクザの娘なんだけどさ。
でも、それだけ危険な状態にある、ということなのだろう。気を引き締めなくては。
そんなことを思いながらも、絶品の肉じゃがに頬を緩ませた私であった。
翌日。
「え、あの人凄いかっこいい…」
「俳優さんかな、あ!今チラッとこっち見た!
きゃー!」
「…志麻さん」
「何です?お嬢」
「何でそんな目立つ格好してるんですか」
「えっ、これ普段着なんやけど」
そんなに変…?どうしよ…と自分の格好をチェックする志麻さん。
彼の服装は、ラフなワイシャツを肘を出さない程度に捲り、細身の黒いパンツ、そしてシンプルなネックレスという至ってシンプルなものであった。
勿論、変では無いし、目立つものではない。
…服装のみであれば。
志麻さんは、その…非常に顔がいい。
誰が見てもイケメンである。
それ故、普通の格好をしてても、彼が表を歩けばもうスター同然であり、どうしても女性からの注目を集めてしまうのであった。
寧ろサングラスにマスクして顔を隠し…いや男性からも注目を浴びてしまうなそれは。
八方塞がりな、顔という問題点に、一つ溜息を零す。
「かっこよすぎるんですよ…」
「え、お嬢、今の…はぁぁぁぁデレありがとうございますぅぅぅぅ」
「えー…」
「いやですね、俺としても目立ちたくはないんですが、スーツ着て女子高生の隣歩くんはちょっとなぁ…と思い、大学生の彼氏、というできるだけ自然な設定でこのような服装に…」
喋りながら、志麻さんが私の腰を力強く引き寄せる。
「したんですよ?」
つい先程まで私がいた場所を、バイクが物凄い勢いで通り過ぎていった。
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雨上がりのcrew(プロフ) - お体に気を付けて更新頑張ってください−!! (2019年8月6日 18時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 彩葉さん» センラーさんにそう言っていただけて、嬉しい限りです!応援に応えられるよう頑張ります、コメントありがとうございました! (2019年5月1日 13時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
彩葉 - 私の推しセンラさんなんですけど、センラ先生最俺にも出ててマジで好きです!引退されるのはとても寂しいですが、最後まで応援させていただきます! (2019年5月1日 12時) (レス) id: ca54fe217e (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 浪音さん» 大変おまたせしました!今の所は引退を考えていますが、寂しいと言っていただけるととても嬉しくも思います。ゆっくりにはなりますが、これからも読んでいただけるならば、頑張って更新します!コメントありがとうございました! (2019年4月11日 17時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
浪音 - 羽飛さんこれ完結したら引退しちゃうんですか...( ´-`)どうでも良い話ですが防音シェアハウスにて暴走中の時から応援してたので少し寂しいです。残りの更新頑張ってください!!応援してます!!! (2019年3月28日 20時) (レス) id: a925fc985a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羽飛 | 作成日時:2019年1月23日 17時