検索窓
今日:11 hit、昨日:2 hit、合計:137,621 hit

共通ルート21 兄弟 ページ22

「俺は幼い頃に、荒瀧組に助けられたことがあるんです。組には入らずに一般人、教師として生活しとるけれど、助けられた恩義から時々今回みたいに組に協力しとるんよ。
まぁ、それなりに色々約束事とかはあるけどな?」



唇をとんとん、と指で叩きながらセンラ先生が言う。可愛らしく言った約束事、とはやはり情報を漏らさないことなのだろう。

夕日が傾き、大分空が色を暗くしていた。
そんな空の下、の保健室の中で、センラ先生と組の関わりについて説明をしてもらっていた。

今回先生が協力していたこととは私の見守り役。
組が手を出しにくい学校で私が何か危険なことがあった時に対処できるように、とのこと。

話を黙って聞いていた志麻さんが、重い口を開いた。



「…暗い話をしますが。
あの赤髪…坂田が五十嵐組であることをバラした以上、これからあっちがどんな動きをするか、予測がつきにくい状態です。

学校には話を通して、一時休みに」


「嫌だ」


「え」


「私はこれからも毎日学校に行きます。
で、坂田君とちゃんと話をします」


「いいですかお嬢、あいつは「お願い」…っ」



私が志麻さんの言葉を遮って乞うと、彼は困ったような表情をし言葉を詰まらせる。
先生も顎に手を添え、深く考えているようだった。

暫しの沈黙の後、志麻さんは大きく溜息をついた。
頭をがしがしと掻きながらこちらを見る。



「わかりました。これまで通りに学校に行きましょう。勿論俺が後ろから見とることも含めてですが。そう親父に話を付けとくんで。お嬢の意向とあらば、止めやしないでしょう」


「あ、ありがとうございます!」



「センラさん。…頼んだで」


「勿論ですよ。必ず、Aちゃんは守ります」




二人が拳を合わせた。
何だか息ぴったりみたいで、このコンビ好きだなぁ、と微笑ましく見る。

そしてその後。



「何だか二人って仲良いですよね。
こう…兄弟?みたいな」


「俺とセンラさんが兄弟、ですか。
んー、こんなデカい弟は要らんなぁ」


「えぇ、酷いなぁ。さっきはセンラの頭に手をぽんって置いて、ありがとうな、とか言ってくれてたやないですか、志麻兄さぁん」


「誰が兄さんや」




センラ先生の運転する車に乗せてもらい三人で帰宅していた。

話を聞く限り、どうやら志麻さんの方が年上だったらしい。実はセンラ先生の方が年上だと思ってたことはそっと胸にしまったのでした。

うらたルート1 変わらぬ登校→←共通ルート20 呼んで



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (204 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
619人がお気に入り
設定タグ:浦島坂田船 , 歌い手
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雨上がりのcrew(プロフ) - お体に気を付けて更新頑張ってください−!! (2019年8月6日 18時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 彩葉さん» センラーさんにそう言っていただけて、嬉しい限りです!応援に応えられるよう頑張ります、コメントありがとうございました! (2019年5月1日 13時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
彩葉 - 私の推しセンラさんなんですけど、センラ先生最俺にも出ててマジで好きです!引退されるのはとても寂しいですが、最後まで応援させていただきます! (2019年5月1日 12時) (レス) id: ca54fe217e (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 浪音さん» 大変おまたせしました!今の所は引退を考えていますが、寂しいと言っていただけるととても嬉しくも思います。ゆっくりにはなりますが、これからも読んでいただけるならば、頑張って更新します!コメントありがとうございました! (2019年4月11日 17時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
浪音 - 羽飛さんこれ完結したら引退しちゃうんですか...( ´-`)どうでも良い話ですが防音シェアハウスにて暴走中の時から応援してたので少し寂しいです。残りの更新頑張ってください!!応援してます!!! (2019年3月28日 20時) (レス) id: a925fc985a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:羽飛 | 作成日時:2019年1月23日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。