共通ルート20 呼んで ページ21
「ほんまに、Aちゃんは優しいなぁ…。
昔から俺は君に助けられてばっかりや」
先生は私の頭をゆっくりと撫でる。
…あれ、何でだろう。
何でこんなに懐かしく感じるんだろう。
先生の口ぶりから、私もとい主人公と彼は昔関わっていたのだろう。
でもそれを私は経験していないわけで。
なのに、何でこんなにもこの人の手に心地よさを覚えるんだろう。
彼は暫く私の頭を撫で回した後、私から少し離れて私の顔をじっと見つめる。
そして、ゆっくりと、優しく、どこか躊躇いがちに。口を開いた。
「なぁ、Aちゃん。今だけでええから。
センラのこと、センラ君って呼んでくれへん？」
切なげな声。
その声が消えるのと同時にウィンドウが音も無く現れる。
〖センラ君〗
〖…〗
呼んであげたいという思いと、私が呼んでもいいのか…彼の思い出に私が踏み込んでもいいのか、という思いで、私は答えられなかった。
つまり、選んだのは下。
「…ごめんな、いきなり変なこと言って」
彼は切なげだった顔を、少し苦しそうに眉根を寄せて、乾いた笑いを漏らす。
彼の辛そうな笑顔を見て、胸がズキリと痛んだ。
「…センラさん。邪魔するで」
「…志麻君」
二人しか居なかったはずの保健室に、志麻さんの声が響く。
声のした方向を見ると、窓枠に志麻さんが寄りかかっていた。
その姿を確認して、先生は私から身体を離す。
「あ、志麻さん、飴…」
「あー、安心して下さい、お嬢。怪しかったから組のそういうのが得意な奴にじっくり調べさせてもろたんですよ。そしたら、こーんな小さいGPSが出てきましてねぇ、誠に勝手ながらお嬢の飴も処分させていただきました」
「なら、どうして俺の通信に応答しぃひんかったんです？」
「…親父の、命令やってん。GPSを壊す前にわざと持ち歩いて、相手の尻尾を出させろって。
学校に仕掛けてくることも読んどったんやろうな」
「…」
黙り込んだ先生の頭に、志麻さんがポン、と手を乗せる。二人にはそこそこの身長差があり、志麻さんは腕を上に伸ばす形になっていた。
「お嬢を守ってくれて、ありがとうな。
センラさん」
「志麻君…っ」
センラ先生が志麻君の服をぎゅっと掴み、静かに涙を零す。
志麻さんはその涙に釣られてか、いつの間にか先生よりもボロボロと泣いていた。
「ちょ、志麻君何で泣いてはるんです」
「やって、何か、もう〜」
泣きながら、二人は笑い合っていた。
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雨上がりのcrew(プロフ) - お体に気を付けて更新頑張ってください−！！ (2019年8月6日 18時) (
レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 彩葉さん» センラーさんにそう言っていただけて、嬉しい限りです！応援に応えられるよう頑張ります、コメントありがとうございました！ (2019年5月1日 13時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
彩葉 - 私の推しセンラさんなんですけど、センラ先生最俺にも出ててマジで好きです！引退されるのはとても寂しいですが、最後まで応援させていただきます！ (2019年5月1日 12時) (レス) id: ca54fe217e (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 浪音さん» 大変おまたせしました！今の所は引退を考えていますが、寂しいと言っていただけるととても嬉しくも思います。ゆっくりにはなりますが、これからも読んでいただけるならば、頑張って更新します！コメントありがとうございました！ (2019年4月11日 17時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
浪音 - 羽飛さんこれ完結したら引退しちゃうんですか...( ´-｀)どうでも良い話ですが防音シェアハウスにて暴走中の時から応援してたので少し寂しいです。残りの更新頑張ってください！！応援してます！！！ (2019年3月28日 20時) (レス) id: a925fc985a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽飛 | 作成日時：2019年1月23日 17時
