検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:137,613 hit

共通ルート17 保健室 ページ18

私とセンラ先生から距離を置いた坂田君は、いつもの明るい元気な笑顔を歪ませ続けた。



「先輩、飴。まだ舐めてへんやろ」


「え、飴…?」


「あれ、中にめっさ小さいGPS仕込んでんねん。
で、あれをまーしぃにも渡したんよ。翌日の朝に舐めるように念押ししたら律儀に飲んでくれたみたいやな。体内にあるからすぐに取り出すんは不可能。

やから、今あいつは僕の入ってる組…五十嵐組からの襲撃を受けてる真っ最中や。
体外に排出されるまで、ずっと追われ続けるかもしれんなぁ?

あ、流石にうらさんのは普通の飴やで?」



センラ先生がギリ、と歯を噛み合わせる。

…坂田君か、五十嵐組?

それじゃあ、あの衝撃的な出会いや彼と登校中に毎日会ってたことだとか、遊園地の出来事だとかは、皆彼に仕組まれていた?私を、強請りなり何なりに使うために?

開いた口が塞がらなかった。

呆然と、坂田君を見つめる。

彼も私を見つめていた。
光の射さない目で。



「じゃあ、そろそろ行こうか」



ガチャリ。

そう鳴ったのは、坂田君の手中にある拳銃。
銃口を向けられ、怯む私にセンラ先生は優しく微笑みかける。



「…安心し。今度はセンラがAちゃんを助けたりますから。それが、俺にできる恩返しなんや」



強い風が私達を吹き付けた。
赤髪と金髪が風に煽られ靡く。
風が収まった時、まるでそれが合図だったかのように二人は動き出した。

時折鳴り響く銃声に、遊園地で聞いたような人体にめり込む鈍い音。

二人の素早い動きに私はどうすることもできず、端で身を縮めているしかなかった。



「あっはは…先生、思ったよりやるなぁ。
じゃ、作戦変更!」


「なっ…!くっ」



坂田君が新たな拳銃を取り出しセンラ先生目掛けて引き金を引く。
瞬間、センラ先生の周りを黒い煙が覆う。



「先生!んぐ」


「しー…ちょっと僕に付き合ってな?」



気付けば目の前に坂田君がいて、手の平で口を塞がれる。
そしてどこからか取り出した紐で簡易的な猿ぐつわを噛まされてから米俵のように担がれた。

私は何をすることもできず、未だに燻る黒い煙を見つめながら彼に身を委てしまった。






辿り着いたとは保健室で、猿ぐつわを外され壁に追いやられる。


「坂田君…」


「んー?喋っていいなんて言ってへんけど?」


「どうして保健室なの?」


「…意外と肝座ってるんやね。
そら先生は僕が五十嵐組にあんたを運んだ思っとるやろうからな。灯台下暗し、や。

それに…」

共通ルート18 本当の→←共通ルート16 仕掛け



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (204 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
619人がお気に入り
設定タグ:浦島坂田船 , 歌い手
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雨上がりのcrew(プロフ) - お体に気を付けて更新頑張ってください−!! (2019年8月6日 18時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 彩葉さん» センラーさんにそう言っていただけて、嬉しい限りです!応援に応えられるよう頑張ります、コメントありがとうございました! (2019年5月1日 13時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
彩葉 - 私の推しセンラさんなんですけど、センラ先生最俺にも出ててマジで好きです!引退されるのはとても寂しいですが、最後まで応援させていただきます! (2019年5月1日 12時) (レス) id: ca54fe217e (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 浪音さん» 大変おまたせしました!今の所は引退を考えていますが、寂しいと言っていただけるととても嬉しくも思います。ゆっくりにはなりますが、これからも読んでいただけるならば、頑張って更新します!コメントありがとうございました! (2019年4月11日 17時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
浪音 - 羽飛さんこれ完結したら引退しちゃうんですか...( ´-`)どうでも良い話ですが防音シェアハウスにて暴走中の時から応援してたので少し寂しいです。残りの更新頑張ってください!!応援してます!!! (2019年3月28日 20時) (レス) id: a925fc985a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:羽飛 | 作成日時:2019年1月23日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。