プロローグ ページ1
「はー…またやっちゃったなぁ…
今日は無駄遣いしないはずだったのに」
一人、夜の街を歩きながら溜息をつく。
肩に掛けているバッグの中には、先程中古屋にて購入した溜息の原因であるゲームが入っていた。
2ndWorld、
それは学園物の乙女ゲームだった。
名前がダサいだとかは言わないお約束。
このゲームの特徴を挙げるならば、この中に二つ世界があることだろうか。
一つは、ヤクザの娘として学校に通う、一風変わった学校生活を送る世界。
もう一つは、ゲーム部に所属してほのぼのと学校生活を送る世界。
なんだか、二個ゲームを買った気になるじゃん!?と思ってしまい、中古品とはいえ安くはないそれを手に取ってしまったのだった。
しかし、新しく手に入れたゲームには自然と心が踊るもの。
家に帰り、私はすぐにそれを起動した。
早速ニューゲームを押すと、一番最初にどちらの世界かの選択を強いられる。
が、実はもうどちらにするか決めているのだ。
私は迷わず、ヤクザの娘側を押す。
理由は至極簡単で。
だってこの金髪保健教師!!すっごい色気あるんだもん!絶対そういうの担当だもん!絶対甘いよ!!
ドキドキと高鳴る胸を抑えながら、次の画面が表示されるのを待った。
「…ん?」
いつの間にか閉じていたらしい目を開けると、そこには見覚えのない景色があった。
でも何処か親しみがあるこの感じ。
凄く一般的な女の子の部屋というかなんというか、
それに、汚れが一つ無くいまいち平面感を感じる部屋…まるでゲームの背景みたい。
ぼけーっとした頭でそこまで考え、ハッと自分の手を見る。
すると、見えたのはこれまた白く綺麗な肌、形をした手のひらだった。
自分の身体まで二次元化してる…!!
なるほど、これは夢か。
ようやくそう頭が理解したとき。
キィィィーン…
「いった…っ」
それを否定するかのように激しい頭痛が私を襲った。
何、これ…。
夢で何をしているんだと時分でも思うけれど、薬がないか探して勉強机に向かう。
机上を見やると、そこには手紙があり、それに触れることで不思議なことに頭痛が治まった。
なんとなく、手紙を開封し中身を読んでみる。
そして、私は言葉を失うのだった。
【ようこそ、2ndWorldへ。
○ゲームの遊び方
このゲーム内の世界で実際に生活し恋愛をすること。セーブ&ロードは存在しない。
尚、現実に帰るには誰かとエンドを迎えると手に入る“カギ”が必要である】
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雨上がりのcrew(プロフ) - お体に気を付けて更新頑張ってください−!! (2019年8月6日 18時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 彩葉さん» センラーさんにそう言っていただけて、嬉しい限りです!応援に応えられるよう頑張ります、コメントありがとうございました! (2019年5月1日 13時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
彩葉 - 私の推しセンラさんなんですけど、センラ先生最俺にも出ててマジで好きです!引退されるのはとても寂しいですが、最後まで応援させていただきます! (2019年5月1日 12時) (レス) id: ca54fe217e (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 浪音さん» 大変おまたせしました!今の所は引退を考えていますが、寂しいと言っていただけるととても嬉しくも思います。ゆっくりにはなりますが、これからも読んでいただけるならば、頑張って更新します!コメントありがとうございました! (2019年4月11日 17時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
浪音 - 羽飛さんこれ完結したら引退しちゃうんですか...( ´-`)どうでも良い話ですが防音シェアハウスにて暴走中の時から応援してたので少し寂しいです。残りの更新頑張ってください!!応援してます!!! (2019年3月28日 20時) (レス) id: a925fc985a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:羽飛 | 作成日時:2019年1月23日 17時