10小節目 *if＿黄金 ページ10
分岐点＿＿49曲目 頼る
センラが彼自身の怖い本心に負けていたら
「＿＿
今なら、簡単に君を俺のもんにできるで？」
震えながら私を抱きしめるセンラさんが言う。
私は彼に頼ってほしい、と言うつもりで口を開けた。が。
「んん！？…っぁ」
急に口付けられ、開いていた口に彼の舌が入って蠢く。
その激しい動きと酸欠で頭がクラクラする。
彼の肩を叩いてもそれは止まらない。
センラさんが口を離したのは意識が飛ぶような感覚がしたその瞬間。
私は咳込みながら荒く息を吸った。
「っはぁ、けほっけほっ…せん、ら、さん…」
「あぁ。やっぱり。かわええなぁ、Aちゃん。
もっと、俺の手で。俺だけで乱れて？」
センラさんは木を背もたれ代わりにし、私を押し付ける。
そして私の服を強引に剥がそうとした。
「やっ…、止めてください」
「外やから恥ずかしいん？
恥ずかしがってるAちゃんもかわええなぁ…。
安心し、こんなAちゃん、他のやつには絶対見せへんから」
外気に晒された私の肩や鎖骨、胸、お腹に彼は噛みつき、跡を残していく。
「っはぁ…。もう、ばっちり俺のものになってもうたね…？
泣いとるAちゃんも、絵になりますわぁ」
どことなく湧いてくる恐怖から、私は気付けば涙を流していた。
彼はその涙をぺろりと舐めとる。
硬い何かが下腹部に押し付けられている気がしたが、私はそれを見ないように目を瞑った。
すると、それを待っていたと言うかのように、
「え…？」
カチャリ、という音が聞こえた。
それと共に、右手首に冷たく硬い何かが当たる。
目を開けそちらを見やると、そこには手錠があった。
冷や汗が背中を伝う。
ゆっくりとその手錠の繋がる先を見ると、それはセンラさんの左手首であった。
彼はその左手首を持ち上げ、手錠で繋がった私達の手を見て、愛おしそうに、緩やかに微笑む。
そして私の手を優しく掴み、自分の頬に当てた。
ジャラリ、と鎖の鈍い音が響く。
洗脳されたように、この音が脳内で反響する。
ああ、怖くなんかないじゃないか。
好きな人と、一緒にいられるのだから。
＿＿それは、彼にとって、いや、私達にとっては縛る鎖では無かった。
それは、二人を結び付ける運命の糸。
二人を二人の場所へと誘う悪魔の縄。
銀色に鈍く光るそれを、夜空に咲いた大輪の花が彩った。
その極彩色に彼の瞳は呑まれていく。
「これで、ずぅっと一緒ですね？」
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ｳｵｵｵｵｵｵｵｲｱｳｵｵｵｵｵｵｵ!!!!! - すごく面白かったです！リクエスト部屋作って欲しぃ… (2020年4月12日 17時) (
レス) id: 9e28ad89d2 (このIDを非表示/違反報告)
柚丸@粟田口(プロフ) - お気に入り登録1000人目いただきました！本篇から応援してて、ずっとにやけてました((( (2019年8月27日 22時) (レス) id: 5f90eb09a7 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 関西風しらすぅ@坂田家さん» やばいですよねあれは！！最初聞いた時にバタバタして悶ましたwまさに粉塵爆発！(違う) (2019年5月5日 15時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
関西風しらすぅ@坂田家 - いやさかたんの言わせんな恥ずかしいに心臓破裂すんのめちゃ分かる。ワイ心臓粉末になりかけたもん。 (2019年5月5日 13時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - めい*crew*さん» ここまでご拝読いただきありがとうございました！毎日の日課にしていただいていたなんて、とても幸せです。これからも素敵な作品と言っていただけるような文を書けるように頑張ります！ (2019年1月29日 13時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽飛 | 作成日時：2018年12月11日 20時
