32小節目 本編裏話その14 ページ33
『あれ、うらさん縮んだ？』
きっかけは、坂田さんのこの一言だった。
『ちょお、Aちゃんと並んでみて下さいよ』
不貞腐れたうらたさんは今、
『あれ？Aの方が高いんとちゃう？』
彼の自室にひきこもってしまった。
「…私、何も悪くはない…ことはない、か」
そしてそのドアの前に立っている私。
冗談だったとは言え、皆の些細な一言一言が彼を傷つけてしまったのだ。
ちゃんと謝らないと。
という訳で、坂田さん達に派遣された私。
彼等曰く、俺等が行くよりその方が心開いてくれるから、だそう。
怒っているうらたさんの懐に自ら飛び込むのは少々怖いが、ここまで来たからには覚悟を決めないと。
私は一つ息を吐いてから、インターホンを押した。
無音。反応は無い。
3分待って、もう一度押す。
「え」
すると、ドアが開き、そこから伸びた手に腕を強く引かれ部屋の中に引き込まれる。
私が何かを言う間もなく、その勢いのまま壁に押し付けられる。
「…さっき私を見る前に腕を引きましたけど、私じゃなくてもこうしてたんですか？」
「するわけねぇだろ。お前だろうと思ってたし、男なら腕掴んだ時にわかるし、この家で俺が引き寄せられるのなんてお前くらいだよ」
彼はそう言うと、予め手に持っていたのであろうマジックペンの蓋をきゅぽんっ！と外し言った。
「はい、じゃあ背筋伸ばして」
「…気にしなくてもうらたさんの方が高いですよ」
「明確にどれくらい差があるのかを測るんだよ」
「できれば壁を汚さない方法でお願いしたいです」
「…ほかの方法でって言ったのはお前だからな？」
私の頭上に目をやっていた筈のうらたさんが私を引き寄せて、今度は自分に押し付けた。
後頭部に手を添えられ、ぎゅうと抱き締められる。
「何がAの方が高いんとちゃう？だよ。
俺の方が全然高いし。」
胸板に…という訳にはいかないが、彼の肩に頭を押し付けられる。
ゼロ距離に早くなる鼓動がうらたさんに伝わってしまうのではないかというくらいに、強いその抱擁に体温が上がっていく。
「…ごめんなさい」
「別に、お前は立ってただけだし元々怒ってねぇよ。じゃ、怒りの種であるあいつらに謝ってもらいに行くか」
離れた温もりの余韻にドキドキしながら、部屋を出る彼の後ろを歩いた。
うらたさんと背比べ うらたんとさかたんが好きで〜すなオ☆タ☆ク☆さんからのリクエストでした！ありがとうございました！
33小節目 本編裏話その15→←31小節目 本編裏話その13.5
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ｳｵｵｵｵｵｵｵｲｱｳｵｵｵｵｵｵｵ!!!!! - すごく面白かったです！リクエスト部屋作って欲しぃ… (2020年4月12日 17時) (
レス) id: 9e28ad89d2 (このIDを非表示/違反報告)
柚丸@粟田口(プロフ) - お気に入り登録1000人目いただきました！本篇から応援してて、ずっとにやけてました((( (2019年8月27日 22時) (レス) id: 5f90eb09a7 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 関西風しらすぅ@坂田家さん» やばいですよねあれは！！最初聞いた時にバタバタして悶ましたwまさに粉塵爆発！(違う) (2019年5月5日 15時) (レス) id: 188fe56108 (このIDを非表示/違反報告)
関西風しらすぅ@坂田家 - いやさかたんの言わせんな恥ずかしいに心臓破裂すんのめちゃ分かる。ワイ心臓粉末になりかけたもん。 (2019年5月5日 13時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - めい*crew*さん» ここまでご拝読いただきありがとうございました！毎日の日課にしていただいていたなんて、とても幸せです。これからも素敵な作品と言っていただけるような文を書けるように頑張ります！ (2019年1月29日 13時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽飛 | 作成日時：2018年12月11日 20時
