35曲目 となりの坂田。 ページ35
坂田side
志麻君が部屋を出てから、呟いた。
誰にも届かない声が響きもせずに虚しく消えていく。
何だよ、それ。
僕に情けをかけてるのか。
僕がAを好きなことを知ってて、やから僕に今この場を譲ったんやろ？
そんなん、ずるいやん。
かっこええなぁ。志麻君は。
そうやって、自分だってやりたいこととか色々ある筈やのに、一歩引いて相手を優先させて。
うらたさんもや。
メンバーのこといっつも見てて、僕の事も人一倍気にかけて、でも変わらないありのままの対応をしてくれて。
センラ君も、皆を支えるように一人冷静に状況を見て、そんでノリが良くて、皆で楽しめるようにしてくれて。
皆に、何度も何度も助けてもらった。
じゃあ、僕は？
僕は皆に何もできていない。
皆に貰った沢山のものを、何一つとして返せてないんや。
皆に僕は必要やない。
だから、僕は捨てられないように、見放されないようにしがみつかなくちゃ。
そんな思いで一杯だった時、僕の前に居たのがAやった。
Aも僕に沢山のものをくれた。
真剣に僕の歌を聴いてくれて、感想をくれた。
僕に、ありがとうございます、と微笑んでくれた。
頭を撫でたら、少し照れたように顔を綻ばせた。
不思議と、Aといると、僕もここにいていいんやって思えた。
きっと、存在価値を与えてくれたんや。
Aの、普通の女の子とは違う振る舞いが可愛くて、とても愛おしく思えて、気付いたらもうどうにもならない程に好きになっていた。
自覚したのはいつだったやろうか。
いつからか、Aと離れるのが怖くなった。
いつか、この生活が終わってしまうことを考えたら、無意識に彼女を腕の中に閉じ込めて、僕のものにしようとしとった。
それが表立ってしまったのが、ネックレスをあげたとき。
とても、怖かった。自分が自分でなくなりそうで、
彼女が、僕から離れてしまいそうで。
今の、幸せな日常を。
壊したくない。
ずっと、このままでいたい。
僕には何もできないけど、
僕を、捨てないで。
「もう少し、こんままでいさせて」
僕は眠る彼女の額に、自分の額を重ねた。
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あおい ��(プロフ) - 占ツクやり始めたときむっちゃこの小説ハマってました！再会できた…！！ (2020年7月19日 16時) (
レス) id: 119598e8b4 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 通りすがり鳥さん» ( ﾟдﾟ)ﾊｯ!ミスでした、ありがとうございます！こっそり直しておきますねw私は愛してま（殴 (2019年3月6日 15時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり鳥 - あの、32ページの夢主さんが勝ったところスマブラになってます(小声。 わざとでしたらすみません。 好きです。(突然の告白 (2019年3月5日 16時) (レス) id: 86c8c9bd63 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - ゆっさん＠志麻リスさん» おいでませ志麻リスさん！！私は志麻さんのた行が好きです！（一日で！ありがとうございます！甘い話にも気合いを入れて頑張ります！ (2018年11月30日 22時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
ゆっさん＠志麻リス - 志麻リスです!!!!!面白かったです!（甘い話が特に）1日で前編と後編一気に見ました！更新待ってます！ (2018年11月29日 18時) (レス) id: 2296e0564f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽飛 | 作成日時：2018年11月2日 19時
