4曲目 呼び方 ページ4
「ん、そろそろ朝食だな」
「あ、はい。今から楽器片付けますから、先に行ってて下さい」
「いや、待ってる」
「ありがとうございます」
あの後も感想を貰いつつアルトサックスを吹き続けた。
少しだが話をしていて、うらたさんは仲間想いなリーダーだということがわかった。
そしてSっ気があるということも。
昨日の夕食でも他三人を弄って遊んでいた。
うーむ…イケメンだなぁ。
おまけに気遣い上手ときた。
今も、私が楽器を片付け終わるのを待ってくれたので、一緒にリビングへ向かっている。
「なぁ、齋藤。そういやお前彼氏とかいんの？」
「できたことないですね。ずっとサックス吹いてたので」
「…ふーん」
そら凡人ですから。
何もしなくても寄ってくる美人では無いので。
と皮肉を思いながらリビングの扉を潜った瞬間、
「えぇぇぇぇぇっ！！何で二人一緒なん！？」
と志麻さんが勢い良くこちらを指差す。
それに対し、うらたさんはふっ、と笑った。
「何でって…なぁ、A？」
「サックスを聴いてもらっていました」
凍り付く空気。
志麻さん、坂田さん、はうらたさんが私の名前を読んだときに、そしてうらたさんが私が事情を説明した時に黙ってしまった。
因みにセンラさんは大人の笑顔のままである。
「え、うらたさんもう名前で呼んでるん？」
「いや、今初めて「いいなぁうらたさん、もう齋藤さんと仲良くなったんや！なぁなぁ、俺もAちゃんって呼んでええ？」…まぁ、お好きにどうぞ」
坂田さんがあまりにもきゅるんとしたお目々で聞いてくるもんだから…と言ってみるが、まぁ呼ばれ方など気にしない。
いつでもどこでもお好きにどうぞ、である。
「別にただからかっただけだけど…
にしても、お前からかいがい無いなぁ。普通の女子はいきなり名前で呼ばれたら驚くんじゃねぇの？」
「では私は普通の女子じゃないらしいですね」
面白くなさそうに頭をかくうらたさんの隣では、志麻さんが「えー、じゃ俺もAって呼ぶー」と言い、それに対してセンラさんが「仲間外れは酷いなぁ。じゃあ俺も呼ばせてもらいましょうか？」との会話が繰り広げられている。
こうしてイケメン四人に名前を呼ばれることになりました。
んー、ファンからしたら卒倒ものなんだろうなぁ、怖いなぁ、と思いながらお味噌汁をいただくのでした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1167人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あおい ��(プロフ) - 占ツクやり始めたときむっちゃこの小説ハマってました！再会できた…！！ (2020年7月19日 16時) (
レス) id: 119598e8b4 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 通りすがり鳥さん» ( ﾟдﾟ)ﾊｯ!ミスでした、ありがとうございます！こっそり直しておきますねw私は愛してま（殴 (2019年3月6日 15時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり鳥 - あの、32ページの夢主さんが勝ったところスマブラになってます(小声。 わざとでしたらすみません。 好きです。(突然の告白 (2019年3月5日 16時) (レス) id: 86c8c9bd63 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - ゆっさん＠志麻リスさん» おいでませ志麻リスさん！！私は志麻さんのた行が好きです！（一日で！ありがとうございます！甘い話にも気合いを入れて頑張ります！ (2018年11月30日 22時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
ゆっさん＠志麻リス - 志麻リスです!!!!!面白かったです!（甘い話が特に）1日で前編と後編一気に見ました！更新待ってます！ (2018年11月29日 18時) (レス) id: 2296e0564f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：羽飛 | 作成日時：2018年11月2日 19時
