30曲目 *天の川 ページ30
「へ、」
センラさんの顔が私の首に近づいてきた瞬間、身体が落ちていく感覚がした。
というか落ちた。
「きゃっ…！？」
「大丈夫！俺がいるからな」
やばい、と目を瞑り衝撃に備えたが、私を襲ったのは痛みではなく、暖かな抱擁であった。
「あっはは！Aがきゃっ！やて！
今日は随分と可愛らしい反応するんやなぁ？」
私を抱きかかえていたのは、坂田さんだった。
その体制はお姫様抱っこなるもので、夜空に浮かぶ彼の顔は良く栄えて見えた。
先程センラさんが口づけようとしていた首に噛み付かれる。
時折聞こえる激しい吐息に、唾液による微かな水温。
それらに私の体温が上がっていく。
鼓動が加速を続ける中、つい先程までは暖かいものに包まれていた筈なのに、瞬きをしている間に私を包むのは風となっていた。
驚き周りを見ると、隣に居たのはうらたさん。
可愛らしいたぬきも一緒である。
「あんなに窮屈なところに居たら暑いだろ？
ちょっと涼みな」
そう言ってうらたさんは、遠くにいるセンラさん、坂田さんに、してやったりと言ったような笑みを浮かべていた。
たぬきにくい、と帯を引っ張られ、それを止めようと手を伸ばした瞬間。
「なっ…！」
「ちょ、A！？」
帯がしゅるりと外れ、風に飛ばされていく。
すると高速で移動をし続けて風を受けている私は、勿論着物が後ろに靡く形で肌を外気に晒すことになる。
悪戯がちょっと酷すぎやしませんか、神様。
「…俺も、ちょっとくらいいいよな？」
うらたさんが着物の内側に入り込み、肌と肌が直に触れ、ぎゅうと抱きしめられる。
その暖かさは、布越しとは、明らかに違うものであった。
暫くそうしていただろうか、ようやく開放されたと思ったら、そのままうらたさんはふわりと空を舞う。
「織姫様が、こんなにはだけちゃ駄目やろ」
うらたさんに目を取られていると、直ぐ真横から声が。
そこには、星空に良く馴染むように優しげな表情をした志麻さんがいた。
志麻さんは、私の足に自分の着ていた服を一枚かける。
そして、その足に自分の頭を預け、彼は口を開く。
「もうお別れの時間やな。今年はこれでお預けや」
志麻さんはゆっくりと私を手放し、離れていく。
「この御話が嘘になってしまうもんか。
いつまでもいつまでも
君が」
好きだよ
そう、志麻さんが口を動かしたように見えたところで、私の意識は唐突にも途切れた。
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あおい ��(プロフ) - 占ツクやり始めたときむっちゃこの小説ハマってました！再会できた…！！ (2020年7月19日 16時) (
レス) id: 119598e8b4 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - 通りすがり鳥さん» ( ﾟдﾟ)ﾊｯ!ミスでした、ありがとうございます！こっそり直しておきますねw私は愛してま（殴 (2019年3月6日 15時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり鳥 - あの、32ページの夢主さんが勝ったところスマブラになってます(小声。 わざとでしたらすみません。 好きです。(突然の告白 (2019年3月5日 16時) (レス) id: 86c8c9bd63 (このIDを非表示/違反報告)
羽飛(プロフ) - ゆっさん＠志麻リスさん» おいでませ志麻リスさん！！私は志麻さんのた行が好きです！（一日で！ありがとうございます！甘い話にも気合いを入れて頑張ります！ (2018年11月30日 22時) (レス) id: 56a129691b (このIDを非表示/違反報告)
ゆっさん＠志麻リス - 志麻リスです!!!!!面白かったです!（甘い話が特に）1日で前編と後編一気に見ました！更新待ってます！ (2018年11月29日 18時) (レス) id: 2296e0564f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羽飛 | 作成日時：2018年11月2日 19時
