Destiny 4

story20-2 ページ27

裕翔side


それから数日が経っても二人の関係は険悪のまま。

それどころか毎日言い合いになるし、おかげで家の中は常にピリピリ状態……


雄 「…この二人どうにかならないの？」


涼 「雄也兄と宏兄がダメなら俺らにはもっと無理だよ……」


光 「何。コソコソ言ってないで言いたいことははっきり言ってくれない？」


雄 「ごめん、ごめん。そろそろ二人に仲直りして欲しいなってね…？」


大 「相手にその気がないんだもん。無理だよ。」


光 「は？何それ。俺のせいって言いたいわけ？」


また始まったよ……

ここ数日毎日こんな感じ。誰も止めることができないからもちろん仲直りすることもなく、むしろ悪くなっていく一方。


そんな中、この出来事が起きた。

ある日の夕食、まだ二人の仲は険悪ムードのままでまた喧嘩が起こりそうな雰囲気だったその時……


雄 「ただいまー、、、」


侑 「え…どうしたの！？」


リビングに入ってきたのは、仕事から帰ってきた雄也兄とその背中でぐったりとしてる宏兄だった。


雄 「光、二階から毛布持ってきて？慧は救急セットと点滴の道具用意してきて。」


全然状況が読めない俺らはただ見てることしかできなくて目の前で淡々と処置が進んでいく。


慧 「何があったの？全然分かんないんだけど…」


雄 「うーん、俺もよく分かんないけど結構前から体調悪かったみたい。俺も最近あんまり家に帰れてなかったから気付かなくて…」


光 「……。」


夕方に小学校から連絡があるまで気付かなかったことに申し訳なさそうに謝る雄也兄……
俺らも光兄と大貴兄の喧嘩に気を取られて宏兄のことなんて見てなかった。

ここまで顔を真っ赤にして苦しそうに呼吸をする宏兄はめったに見たことがない。

思い返せばいつもの宏兄じゃなかったような気もする……

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