国宝級センター

始まり ページ34

健人side






Aとマリウス、松島が楽屋から出たところで、勝利に近づいた風磨。








風磨「付き添いありがとな。もう大丈夫だから、心配すんな。」







ソファに座ってる勝利の肩をポンと叩くと、



同時に、目からは一筋の涙が。







きっと勝利もAと同じくらい不安だったんだろう。







シンメの辛い顔を見るほど心が痛むことはない。









勝利「…ごめんなさい、みんなに黙ってて、」



風磨「そんなのいいんだよ。どうせ、Aに言わないでって言われたんだろ？」








きっと、勝利のことだからAの気持ちを優先させたいっていうのが大きかったんだろう。






こんなにも無理をするメンバーのおかげで、俺らもいつもドキドキしてるのに


それがシンメとなると、俺だったら心臓がいくつあっても足りないくらいだわ…笑








風磨「勝利も勝利なりに考えがあったんだろ？正解なんてないんだからさ、自分の思ったようにすればいいんだよ。」




健人「本番は俺たち5人で全力でAのサポートしようぜ！」




勝利「…うん、ありがとっ、」






健人「ほらっ、もう泣かないっ！！もうすぐファンの子に会えるんだよ？笑」




風磨「国宝が泣いてたら日本中の人が泣いちゃうぞ？」




勝利「…わけ分かんないしっ、笑」








これで勝利も笑ってくれたことだし、本番までのあと1時間。






あとはみんなでAのサポートの準備をするだけ。








聡「オープニングの登場、ポップアップじゃなくてゆっくりリフトあげたほうがいいんじゃない？」



健人「そうだね、他の登場するところもスライドでいこう。」



勝利「ソロ曲どうする？バラードにして座ってギターのほうがいいんじゃない？」



A「うん…でも今日ギター持ってきてないんだよね。」



風磨「勝利の使えばいいじゃん！」



マリ「そうだよ！ファンの子もびっくりするかもね！」



健人「急遽だけど大丈夫？」



A「うん、勝利のギターならいつも弾いてるから！」







そんなこんなで変更点はいっぱいだけど、



おかげでその日限りの特別なコンサートになりそう。







風磨「A、無理すんなよ。」



A「分かってるって！」






健人「じゃあ、本番、ファンの子たちに最高の笑顔送り届けましょう！！


いくぞっ！！！」






『おー！！！』

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