7話 ページ8
「.....そうだね。」
必死に絞り出した声はかすれていた。
「じゃあやっぱり、買ってこようかな。」
踵を返してレジへと向かうと、再び、指がスマホを叩く音が聞こえはじめた。
____________________________
会計を済ませて陣平くんと共に店を出ると、雨が降っていた。
「どうする?傘持ってないけど...。」
そう問いかけると、彼はこっちを向いて、いたずらをする子供のように、ニヤッと笑った。
「走ろうぜ。」
「えっ!?」
雨の中、私たちは走り出した。
冷たい雨が体に刺さるように降っている。
馬鹿みたい。ねぇ、陣平くん。
こんな年にもなって、雨に濡れて、大はしゃぎして。
でもね、貴方と一緒なら、そんな馬鹿みたいなことが楽しかったの。
貴方と一緒なら、どれだけ冷たい雨が降っても、怖くなんてなかったの。
なんて、そんなことを思ってたのは私だけだったみたいだね。
本当に馬鹿だよ。馬鹿野郎だよ。
でも、貴方の楽しそうな横顔が好きだから。
その言葉を呑み込んでしまうの__________。
ねぇ、陣平くん。私、
青色のワンピースなんて持ってないよ_____。
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号哭。 - 桜神さん» コメントありがとうございます。これからも更新は不定期になると思いますが、よろしくお願いします。 (3月3日 8時) (レス) id: 07f289d1de (このIDを非表示/違反報告)
桜神 - 続きがめっちゃ気になります。更新待ってます (2月2日 12時) (レス) @page11 id: 8b7eb4bb5c (このIDを非表示/違反報告)
号哭。 - 雪遊びさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい申し訳ありません。 (9月26日 20時) (レス) id: 07f289d1de (このIDを非表示/違反報告)
号哭。 - このさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい申し訳ありません。 (9月26日 20時) (レス) id: 07f289d1de (このIDを非表示/違反報告)
雪遊び(プロフ) - 続き今も待ってます! (9月10日 0時) (レス) @page10 id: 52b9688ca8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:号哭。 | 作成日時:2023年1月6日 13時