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1話 ページ2

いつからだろう。





彼から愛が感じられなくなったのは。






いつからだろう。





彼が私のことを見てくれなくなったのは。



_________________________________



太陽の光が眩しくて、目を開ける。


時計を見ると、短針が9時を指していた。



横には、愛する人の顔。



あぁ、まただ。



また、カラダを許してしまった。




彼は、私のことを見てない。分かっている。
分かっているのに。




だるい体を無理矢理動かし、起き上がる。



「ねぇ、陣平くん、起きて。」



彼からの返答は無い。肩を叩いてみても起きる気配が無かったため、とりあえず朝食を作ることにした。



本当に、私は彼につくづく甘い。



分かっているのに、やめられない。



彼は、もう私のことを見てない。



分かっているのに、別れられない。



分かっているのに、彼を嫌いになれない。




きっと、どうかしているんだろう。





朝食を作り終わり、テーブルに並べていると、陣平くんが起きていたことに気づいた。



姿が見当たらなかったので、ベランダでタバコでも吸っているんだろうと思い、朝食が出来たことを伝えに、ベランダへ出た。



「陣平くん、朝ごはん______。」



言いかけてから気づいた。



陣平くんが頬をほんのり赤く染めながら電話をしていたことに。



電話の向こうから、声が聞こえる度に口元を緩ませていたことに。



電話から聞こえてくる声が、私とは正反対の、
可愛らしい女性の声だったことに。




私が、感傷にひたっている間にも、目の前の男は楽しそうに知らない女性と電話している。



これ以上2人の通話を聞きたくなくて、ベランダから立ち去ろうとすると、陣平くんと目が合った。



陣平くんは、慌てたように電話を切ると、私の方に近寄ってきた。



「ちょっと職場のやつから電話でさ_______。」



つらつらと言葉を並べる陣平くんの声は、聞こえなかった。



分かったよ。職場の人からの電話だったんだね。





分かった、分かったから。
疑ってないよ。信じてるから。





そんなに、必死にならないで、慌てないでよ。




何だか、私に何か隠してるみたいじゃない。




ちょっとくらい、私に貴方を信じさせてよ。

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設定タグ:名探偵コナン , 松田陣平 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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号哭。 - 桜神さん» コメントありがとうございます。これからも更新は不定期になると思いますが、よろしくお願いします。 (3月3日 8時) (レス) id: 07f289d1de (このIDを非表示/違反報告)
桜神 - 続きがめっちゃ気になります。更新待ってます (2月2日 12時) (レス) @page11 id: 8b7eb4bb5c (このIDを非表示/違反報告)
号哭。 - 雪遊びさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい申し訳ありません。 (9月26日 20時) (レス) id: 07f289d1de (このIDを非表示/違反報告)
号哭。 - このさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい申し訳ありません。 (9月26日 20時) (レス) id: 07f289d1de (このIDを非表示/違反報告)
雪遊び(プロフ) - 続き今も待ってます! (9月10日 0時) (レス) @page10 id: 52b9688ca8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:号哭。 | 作成日時:2023年1月6日 13時

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