【浦島坂田船】四色の愛【うらたぬき】 (ページ6)

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『～～…～』

？「……～～…」

そっと気付かれない様に近付く。

あれは隣のクラスの男子と…松本？

大方予想はついてるが何をしているのか聞き耳を立てる。

『…ごめんなさい。私、恋が分からないの。』

？「…そうですか。ありがとうございました！」

振られたと思われる男子は此方に向かって走ってきた。

慌ててそばの草陰に逃げる。

(ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ…)

走り去ったようなので静かに顔を出す。

残された女子を見るためだ。

桜を見ている様子の彼女。

その横顔は、あまりにも神秘的で。

目を離したら消えてしまいそうな雰囲気から、目を離せずにいた。

『好きって…なにかしら…。』

囁くような声で彼女が呟いた一言。

それは、酷く残酷な声で。

なんだか心を抉られる様な感触に、取ったボールを落としてしまった。

『…？誰か、いるの…？』

此処まで気付かれたら、もう逃げられない。

観念して出ることにした。

出てきた俺をみて彼女は驚いたような表情になり、

綺麗に、笑った。