【浦島坂田船】四色の愛【うらたぬき】 (ページ4)

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う「…」

坂「やった！うらさん、同じクラス！」

俺の隣で無邪気に飛び跳ねて喜んでいるあほこと坂田。

ったく、ちょっとは静かに出来ねーのかよ…

う「んなの言われなくても分かってる。うるせぇから黙れ。」

坂「んもー、うらたさんったらツンデレなんだからぁ…！」

う「二度と喋れないようにされたいか？」

そういうと素直に俺についてくる坂田。

俺はお前の保護者か…。

う「えっーと、1年A組は…、ここか。」

ちらっと教室の方を見るともうまばらに生徒は座っている。

席は適当なのか…？

窓際あたりがいいかな、など考えていると、ふと気になった。

(なんだか…みんな、ある方向を見てる？)

外の桜でも見ているのか、と思いながらその視線を追い、思わず息を呑んだ。

う「…綺麗。」

腰まで伸びた艶やかな黒髪に、一つだけ花のヘアピンが付いてる。

本を持っているその手は、余りにも白く、細くて。

さながら人形の様にも見える彼女は、“綺麗”としか言いようがなかった。

坂「うらさん？座んないの？」

といっても、一番後ろの一番窓際に彼女は座っている。

なんだか近寄れる気がしない…。

そう思った俺は、坂田の手を取り真ん中らへんの後ろの席に座った。

俺の景色が桜色に色付くまで、あと数日＿＿