国民的アイドルに恋をした。 (ページ1)

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お隣さんページ1

寮を出てマンション暮らしを始めることにした。
マンションはセキュリティと立地重視で決めた。

やっと荷解きを終え一息つく。

あとやる事は…
お隣さんへの挨拶。

この階はこの部屋と、あと一部屋しかない。
どうせいつか鉢合わせすることになるなら最初から仲良くしといた方がトラブルは少ないと思う。

よし、と手土産の入った紙袋を持ち家を出た。

ピンポーン…

「…。」

…出らんな。

次の日も、その次の日もお隣さんは不在だった。
時間をずらしてみても不在。

「はぁ…忙しい人なんやろうか。…どんな人やろう。」

こんなに会わないなら無理して挨拶しなくてもいいのかもしれない…いや、でも…

葛藤の末、手紙をつけてドアノブに掛けておく事にした。

隣に越してきた村上と申します。
何度かご挨拶にお伺いさせて頂いたのですが、
ご不在でしたのでお手紙にて失礼いたします。
こちら、心ばかりの品ではございますが、
宜しければお受け取り下さい。
今後とも、よろしくお願い致します。

…うん、悪か印象にはならんよな？

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翌日。
練習から帰ってくると自分の部屋のドアノブに小さな紙袋がかかっていた。
セキュリティ上こんなことが出来るのはお隣さんくらいだ。
部屋に入り中身を確認すると、手紙とキャンドルが入っていた。

初めまして、隣のAと申します。
先日はご丁寧なご挨拶ありがとうございました。
ちょうどタオルがボロボロになっていたので助かりました笑
変則的な仕事をしていて家を空けることも多いですが、
よろしくお願いします⸜( •⌄• )⸝

「ははっ、なんやこの顔文字。可愛いな」

…良かった、優しそうな人や。

この時はまだ知る由もなかった。
お隣さんがあの国民的アイドルグループのメンバーだという事を＿＿＿＿