君影草 (ページ42)

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『リッキーくん…』

抱いていた彼女の小さい身体から離れることを忘れていた。

「あ、ごめん！！それに、嘘もついてしまって…」

『いいよ、ありがとう。嘘でも守ってくれて嬉しかった。』

でもこれからの生活が困るな～笑笑と笑う彼女、目からは面白さなのか安堵の涙なのか分からない涙が流れていた。

『実はね、彼氏が居て、でもっ…』

静かな笑いはしっかりとした涙に変わっていた。

僕はその話、聞きたくないよ。

そんな僕の気持ちを分かってくれているはずもなく、話を続ける彼女。

『彼氏は韓国にいるのっ。』

「韓国、？」

どうやら、彼は韓国アイドルになる為に渡韓し、練習生として活動しているらしい。そして幼稚園からの幼馴染で付き合ったのは1年前からだと言う。

韓国にいるなら、と自分の中の黒の部分が出る。

「そんなに泣かないで。会えなくて、寂しいよね。大丈夫、大丈夫。はい、どうぞ。」

またハンカチ貸してくれるの～笑と少しでも君が笑顔になれたなら、僕は嬉しいよ。

このまま2人で永遠に一緒に居たいな

時間が止まればいいのに。