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ゾムは未だ戻ってくる様子が無く、仕方なくボソボソと歩き始めた。
『本来の目的忘れてるやん…。』
ゾムに対する不満を呟いていれば、目の前に誰かが立っているのが目に映った。
コネ「何してんのお前。」
『探検か、なぁ？…さっきまでゾムおってんけど…。はは、は。』
コネシマだ。
彼は俺に良い印象を持っていないようで、鋭い目付きでトゲのある喋り方をする。
コネ「俺と手合わせせぇ。」
『……え？』
コネ「はよ来いや。」
『わ、分かった。』
目の前をスタスタ歩く彼に着いていけば、たくさんの兵士たちが訓練をしていた。
そして、ここは前に模擬戦闘をした場所だと気付いた。
コネ「おーい！！ちょっと休憩！！！」
「「はい！！！」」
コネ「で、準備ええか？」
『あ、…うん。』
コネ「んじゃ…開始！」
コネシマがこっちへ向かってくる。
身構えれば、彼の右腕が獣のような腕に変化し、思い切り殴られる。
『ｯ…゛ぉ、……は、ｯ…。』
思い切り吹き飛び壁に叩きつけられた身体は、思うように動かず激しい痛みが襲う。
コネ「立てや。まさかこれで終わりとは言わんやろ？」
彼の声が脳髄に響いて、クラクラした頭が段々と正常に戻ってくる。
ピキピキと防御本能のように身体中から鱗が生えてきた。
『はー、ｯ……゛、ｯｯあ゛ｧ゛！！』
言葉にもならないような叫び声を上げ、彼に反撃をする。
コネ「ははｯ…やるやん。」
彼が攻撃する構えを見せた瞬間。一気に突っ込み、彼が攻撃する暇すら与えないよう何度も何度も追撃する。
コネ「ｯ゛……う゛ｩ゛ｯ。」
後ろに倒れ込んだコネシマはすぐに起き上がり、足を変化させ先程とは比にならないスピードで突撃してきて、腕でまた吹き飛ばそうとしてきた。
『ほ、ｯ……。』
何とか見切って避け、そのまま鳩尾に思い切り攻撃を食らわせた。
コネ「ｯｯｯ……。ごほｯ…。げ、ｯほ…。」
コネシマは、暫く咳き込んだ後こっちへ振り向いて満面の笑みで言った。
コネ「お前の勝ちやな！！」
どうやら認めてくれたのか、先程の態度からは全く想像できない人懐こさで話しかけてきた。
取り敢えず、警戒は解けたようで良かった。
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作者名：テトラポット x他1人 | 作成日時：2020年2月6日 19時
