【d!】拝啓桜の下で眠る君へ (ページ18)

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まぁ、適当にうろついて場内の大まかな把握からか？

うーん。

歩きながら、グルグルと何処に行くか考えていると、

『図書室。入ってみよかな。』

扉を開ければ、ギィという特有の音がする。

エミ「おや。Aさん。探検ですか？」

『うん。』

エミ「紅茶入れますね。」

『ええの？』

立ち上がったエーミールに声をかければ、ニコリと微笑み、

エミ「えぇ。少しAさんとお話をしようと思ったので。クッキーも出しますからね。」

すごく優しい。何故彼女が居ないのかよく分からない。

エミ「紅茶が出来るまで、気になる本があれば読んでおいてもらっても良いですよ。ずっと待つのも退屈でしょう。」

『わかった。』

そういえば、ゾムはエーミールの事エミさんってよんでたな。

今度からそう呼ぼう。

本がぎっしりと配列されている棚の前に立ち、面白そうな本を見つけて読みふけった。

エミ「Aさん。」

『あ。エミさん。』

エミ「ふふ。紅茶入れましたから、席につきましょう。」

『うん。』

エミ「美味しいですか？」

『うん。あったまる。』

エミ「今はまだ冬ですからね。夏になったらアイスティーを入れましょうか。」

『楽しみやなぁ。夏』

エミさんはニコニコ微笑んでこちらを見ていた。

エミ「紅茶ならいつでも入れますよ。そういえば、たまにオスマンさんやグルッペンさんとお茶会する事があるんです。機会があれば来ますか？」

『行ってもええんやったら、行く。』

エミ「分かりました。2人に伝えておきます。」

彼と話すとこの上なく落ち着く。

エミ「そういえば探検でしたよね。次は何処に行くんです？」

『何処行こうか、今迷ってる。』

エミ「情報室はロボロさんが仕事をしているのであまり行かない方がいいですしね。食堂とか訓練所はどうです？」

『ええかも。』

話を聞いた後。急にダクトから緑色のパーカーが出てきた。

ゾム「ﾁｨｨｨｨｨｯｯｯｽ！！」

エミ「うわぁぁｯ！！！」

ゾム「ﾋﾋｯ。A！俺が案内したるわ！」

下に倒れ込んだエミさんが、

エミ「じゃあ、案内してあげてください。」

ゾム「エミさんは？」

エミ「食器の片付けをしたらこの書類をトントンさんに届けに行きます。」

言えば興味なさげに反応し、直ぐにこちらを向く

ゾム「ふーん、、じゃあ行こう！」

ゾムに手を引かれて、図書室を後にした。