あの人は婚約者、あの人は…結ばれない好きな人 4【マレウス・ドラコニア】【ヴィル・シェーンハイト】

4ｰ4他国の王子 ページ5

「…いい匂い。この辺りは薬草独特の強い匂いも荒らされた所もないから、気持ちを落ち着かせるには最適な場所ね」






授業で使う予定の薬草も先に確認したし、少しだけここで日向を浴びても問題はないでしょう


たまには1人の時間を有意義に…って言えるのかは分からないけど、VDCの準備だってとっくに終わらせてあるし、ご褒美と思えば大丈夫よね

















「…暖かいな。…………ん…、少し、眠くなってきたな。数分…だけ……Zzz…………」



















―――――――――――……あ、れ？なんだか、脚が重い気が…






「……んぅ………ん？！？！！レ、レオナさん…？！えっ、な、どうっ…え？！！」




脚に…いや、正確に言えば私の太ももをレオナさんが枕代わりにして寝ている。レオナさんとは親密な関係どころか片手で数えられるくらいしか会話したことが無いのに…









すると、私の声に反応して不機嫌そうな表情を浮かべながら目を覚ました




「……あ？…んだよ、起きたんならじっとしてろ。枕は動かねぇし喋らねぇだろ。俺の寝床で寝るのが悪ぃんだ、分かったなら動くなよ」




「えっ、な……はい？？寝床って…かっからかわないでください！困ります、こんな所誰かに見られたりでもしたら…」







急な事で冷や汗が出てくるし、色んな意味で心臓も破裂してしまいそう…、



本当に誰かに見られでもしたら…四方八方から非難されるに決まってる…！！！






茨の谷の王子の婚約者が他国の王子に膝枕をしていたなんて知られたら……お父様方も、お兄様も、マレウス様やあの御方に元老院の老いぼれ達まで黙ってる筈がないわ…！！



いくらレオナさんの悪ふざけとはいえ、私の王妃候補に不満を抱く者の耳に入ったりでもしたら厄介なことにっ…













ただでさえ王子の婚約者と他国の王子っていう面倒な立場なのに、更に面倒な問題まで絡むなんて絶対に嫌！！！！



こんなの、一般人のケーくんとの問題とは比べ物にならないじゃない…！！











「そりゃあ大変だなぁ。嫌ならその空いてる両手を使えば簡単に済む事だろ？俺を突き飛ばして逃げれば良いだけの話だ。…出来るならの話、だけどな」




そう言いながら、レオナさんは悪い顔で笑っていた















「っ〜〜〜！！！！私が抵抗出来ないのを分かっていて、貴方はなんて事をっ…！！！！！！」


To Be Continued⏩

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