あの人は婚約者、あの人は…結ばれない好きな人 4【マレウス・ドラコニア】【ヴィル・シェーンハイト】

4ｰ26誰かの声 ページ27

何時からだろう




マレウス様に対して怯える様になったのは








何時からだろう















男の人の目が、怖く思える様になったのは








「よく思い出してごらん。誰のせいで自由が奪われたのか、誰のせいで痛い思いをし続けているのか、……誰のせいで、涙を流しているのか」





「…誰、の…せい……」







「…今、Aは誰のせいで辛い思いをしているの？」






私が、辛い思いをしているのは……、






「……ヴィ、ル…」






「……よく言えたね。もういいよ、一休みしていなさい。





何も考えなくていい。深く、深く眠るだけでいいんだ。さぁ、安らぎを求めて眠りにつきなさい。

―――――――(プリンセス・スリープ:姫のお眠り)」











……あ、




身体に…力が入らない

まるで水の中にいるかのように、声が遠く篭っていて聞こえない





頭がクラクラして、逆上せた感覚と似ていてお兄様の顔がぼやけて歪んで見える






―――――――――――あぁ、思い出した











これは、お兄様のユニーク魔法だ



相手の目を見て、意識を強制的に失わせる魔法―――――――











「僕がすべて片付けるよ。安心して、A――――――」





お兄様は一言何かを私に伝えたものの、私はほとんど何を言っているのか分からずじまいで意識を失った





































――――――……………

―――――――――――――――――――――――……………






「そん―――――――タシが一番―――――………」




…誰の、声？









「――――――絶対――に――――――てことが――――！！」













「――――――タシは、アタシは―――――――――！」













「―――――"ネージュをこの手で"！！！！！！」
















「っ―――――？！？！？！！！」





何、今の…



謎の声が頭の中に響いて、ハッキリと声が聴こえた瞬間、私は驚いて飛び起きていた





意識を失う前とは違ってベッドで横になっていたことも、来ている服が制服から部屋着になっていることも、今はどうでもいい

夢にしては、頭の中で聴こえた声とは思えない現実味を帯びていた





夢のはずなのに、ドクドクとうるさい程に動いている心臓は落ち着かない




…夢のはずなのに、不安が消えてくれない







……行かなきゃ、今すぐNRCに行かなきゃ、手遅れになる気がする


To Be Continued▶

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