4ー22苦しさ ページ23
ヴィルの混乱とショックを受けたという気持ちが、この場の空気だけで伝わってきた
でも、私はそれ以上にショックを受けていたらしい
「…どうして、こんな事をしたの?」
「……そ、れは…」
私は、気が付けば言葉を発していた。何も考えず、ただ思ってる事をそのまま口に出している
そう、"なにもかも"
「私、ヴィルが好きだよ」
「…え、?」
「マレウス様との婚約は親が決めた事だから、浮気をしなければ他の人を愛しても良いって思ってた。だから、誰にも言わずに、ヴィルを初めて会った時から愛してた。親友としても、恋愛対象としても」
「……A、」
「…なのに、どうして?どうしてヴィルは――――――――私にこんな事をしたの?」
「…A、聞いて、アタシは―――――」
「ヴィルも、私の身体しか見てなかったの?」
「…!!!」
あぁ、なんだろう。この空気
聞いたのは私なのに、何でこんなにも吐き気がするんだろう。愛してやまない彼のいる空間なのに、喉の奥が不快感で溢れてくる
「…どいつもこいつも、初めて会えば目線は私の目より先に胸や脚腰を見て、すれ違えば胸の大きさや下着の色を小声で予想されて、終いには私を犯そうとする男まで出てきてさ。」
「………っ」
「ねぇヴィル、私ってそんなに下品な身体をしてるの?私は、所詮その程度の女としか見られないの?男って――――――女を性的にしか見る事が出来ないの?」
そう言った私の言葉に対して、ヴィルは何も答えなかった
「……こんな所に入学なんかするんじゃなかった。逃げてでも入学を拒否すれば良かった。…男なんか信じた私が馬鹿だった。―――――――――――友達になんて、親友になんて…なれる訳ないのに」
「…もう、疲れた。……じゃあね、ヴィル。VDC頑張ってね」
そういい私はふらつきながらもゆっくりと立ち上がり、首飾りの為に魔力が減らないようにと使うのを控えていた瞬間移動をした
移動した先は、茨の谷にあるグレース一族が暮らす屋敷の別館の客室だった
屋敷に人を呼ぶことも無かったのか、誰一人居ない別館はとても静かで心地が良い
「…っ、グスッ……信じて、たのに…!ずっと、信じてたのにっ…!!!!」
私は悲しさと苦しさで涙が止まらなかった
ヴィルに、裏切られた気がした
To Be Continued▶
268人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
berry(プロフ) - 好きです大好きです神様ですね貴方は。続きの更新をいつまでも待ってます!!! (1月5日 3時) (レス) @page45 id: 1e74c8e0f6 (このIDを非表示/違反報告)
愉快な太宰 - 更新ありがとうございます‼嬉しすぎて涙が出ました。 (11月27日 7時) (レス) @page45 id: cbd0df663f (このIDを非表示/違反報告)
中二病メープル - ん、んっ!好きです。大好き!応援してます! (11月13日 20時) (レス) id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
パンパース - 占いツクールもう腐るほど見てきたけどこの作品は、マジで神。もう愛してる。作者様ありがとうございました。更新頑張ってください! (10月8日 22時) (レス) id: 80025653cf (このIDを非表示/違反報告)
あ - 何でだろう…マレウスとかヴィルも好きなんだけど…1番チャールズが好きだわ() (9月28日 0時) (レス) @page42 id: f7ce363bb5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:成人しました。 | 作成日時:2022年5月2日 21時