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ねるちゃんに連れられてやってきたのは空き教室。しーんと静まり返っているその場所に私たちは座った。
長「ごめんねーいきなり連れてきちゃって。」
A「いや、それは全然大丈夫だけど…」
長「話の内容が気になる?」
A「そりゃあね、」
長「んーじゃあ言うけど、Aちゃんあかねんと付き合ったんでしょ?」
A「うん、そうだよ?」
なんで知ってるんだろう。今日みんなに言ったばっかりなのにもうこんなに広まってるのか〜クラスの子には茜とイチャイチャしたときにバレててもおかしくないけど、隣の隣のクラスまで知れ渡っているなんて思わなかった。でもねるちゃんって勘よさそうだから知ってても変じゃないか。
長「…なんで?」
A「え?」
長「だから、なんで付き合ったの?」
A「なんでって…」
そんなの。
A「すきだからだよ。」
長「…やだ、」
なんかねるちゃんの様子がおかしく感じる。ちょっと取り乱してるっていうか、顔がすごく苦しそうだ。
A「ねるちゃん!?どうしたの?」
長「わた、し、だって…」
Aちゃんのことがすきなのに__
今、私の耳に聞こえたのは衝撃的な言葉だった。
心臓を思いきり掴まれたような感覚。
A「っえ…と、」
声がうまく出ない。ついにねるちゃんは顔を覆って泣き出してしまった。
どうしよう。
どんな言葉をかけたらいいかわからなくて、私はねるちゃんを抱きしめた。とりあえず落ち着いてから話そうと思って。
〜
菅井side
茜がAちゃんと付き合った。
それを祝福する声が教室から聞こえてきた時、私はとても驚いた。茜もAちゃんのことすきだった、っていう事実が私の心を痛めた。
茜は私のもの。
あの時の浮気説は本当に誤解。でも、茜に追い詰められた感じがした私は感情のままに茜に怒鳴って傷つけて、そして別れた。
でも冷静になってすぐ後悔した。今更復縁なんて頼めないって思ったから、高校で1年間自分を改めて、2年になったらもう一度告白しようと決めていた。
それが今、あともう少しで2年生という時期になんで、Aちゃんなんかと付き合うの?
怒りと悲しみが混ざりあって、きっと私はひどい顔をしていたと思う。茜と親しげに話しているAちゃんを睨んでたら、ふいに振り返った本人と目が合ってますます苦しくなった。
何度だって言う。茜は私のもの。
菅「ねるにAちゃん取られちゃってもいいの?」
幸せなんて、私が壊してあげる。
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作者名:結冬 -yuto- | 作成日時:2019年1月19日 14時