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結局その日は、少し話をしてから普通に帰った。
私のモヤモヤは消えたようで消えていない。
すきな人が誰なのかも結局わからないままだし、元カノのことすら知らない。まぁでも、茜が告白する気になったならよかったかな。
次の日から茜は学校に来たし、みんなともたのしく過ごしていた。
あれから1週間、私たちの生活に大きな変化はなかった。もちろん私の気持ちも変わっていない。
いつものメンバーに、鈴本さんとオダナナも加えて昼休みを過ごしたりもした。茜があれから気持ちを伝えたのかはわからない。何も言われていない。私も何も聞かない。
でもある日、私はゆっかーに呼び出された。
指定されたのは図書室。ゆっかーは図書委員だから鍵を持っているらしい。そういえばゆっかーと初めて話した日も本を持ってたっけ。
そんな懐かしいことを考えながら図書室に向かう。けど、新入生なわけで。入学して1週間以上経ったとはいえ、この無駄に広い校舎の地図なんて頭に入っていない。無事図書室まで辿り着けるだろうか。
案の定ぐるぐるしていたら、放課後なのに先輩らしき人物が1人で廊下を歩いているのを見た。部活中の生徒というわけでもなさそう。しょうがない、あの人に聞いてみよう。
A｢あ、あのっ！｣
？｢はーい？｣
少し高めの声でこっちを振り向いたその人。
え、顔立ち整いすぎじゃない？しかもなに、女の人だよね？中性的でイケメンにも見える。そして背も高め。人気ありそう。
A｢すいません、図書室に行きたいんですが、どこにあるかわからなくて。｣
そう言うと、あーそういうことか、という表情を浮かべながら先輩が言った。
？｢なるほどね、この学校の校舎複雑だからなぁ、私も入学したばっかの時は大変だったよ笑｣
A｢ですよね笑｣
？｢まぁとりあえず、ついてきて。｣
案内してくれるらしい。優しい先輩でよかった。
？｢君、名前は？｣
廊下を歩きながら先輩が尋ねてきた。
A｢1年のAです。｣
？｢へぇ、Aちゃんか、いい名前だね。｣
A｢ありがとうございます。｣
？｢そろそろつくけど、本でも借りにきたの？｣
A｢あーいや、そうじゃなくて、友達に来てって言われたんです。｣
？｢そうなんだ、、あ、ほらついたよ。ここが図書室。｣
A｢本当に助かりました、ありがとうございました！｣
？｢いえいえ、それじゃ私はこれで。｣
すれ違い私の横を通り抜ける先輩。
名札には、土生、と書いてあった。
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作者名：結冬 -yuto- | 作成日時：2019年1月19日 14時
