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茜「え、話していいの?めんどくさくない?」
めんどくさいなんて思うわけない。むしろ私はあなたのすきな人が気になってしょうがない。その人は私のライバルということになってしまうけど。
A「めんどくさくない。話してくれるならでいいから...」
茜「...私、ほんとに一目惚れだったんだ。その人とは入学式で会って、かわいいなあってすぐ思って。」
少し微笑みながら茜が言う。
茜「向こうから話しかけてくれて、仲良くしたいって思ってたから正直すごくうれしくて。」
それって、同じ高校ってことだよね?入学式とか話しかけてくれたとか、絶対同じ高校だよね?元カノさんも同じクラスにいるのに、、私の敵身近に多すぎないかな、というか、茜がモテすぎ?
茜が満足するまで聞いてあげようと思った。私以外の誰かのことをこんなに熱く話す茜はもちろん初めて見たから、気持ち的にはすごく複雑だったけど、私にこういう話をしてくれるということがまずうれしかった。そして、一通り話し終えたあとに茜が言った。
茜「でも、告白しようとは思わないんだ。」
え...?
A「ど、どうして?」
茜「前にも言ったけど、恋愛はちょっとトラウマで、だからしばらく恋するつもりもなかったけど、気づいたらすきになってた。だからそれだけでいいの。すきになった、ってただそれだけで。」
私に向ける目がそれでいいという意志を強く伝えてくる。
A「でも、今のすきな人が元カノさんと同じようにトラウマ的存在なのかはわからなくない?」
あーなんでこんなこと言ってるんだろう私。叶ってほしくないくせに。茜に恋人なんてできなければいいって思ってるくせに。なんでだろう。なんで背中押したくなってる?
...やっぱり、茜には幸せになってほしい。
いくら恋をして、その相手に嫉妬したとしても。この気持ちはきっとずっと変わらない。
幸せになってほしい。隣を歩くのがたとえ私じゃない誰かだとしても。
茜「たしかにそうだけど、その子は私のことなんて全然すきじゃないと思うっていうか、あんまり恋愛してるイメージのない子だから。」
ふーん、茜はそんな子のことがすきなんだ。なんか意外かも。でも茜美人だし告白されたら誰だってうれしいと思うけどなぁ。
A「でも、もしかしたら取られちゃうかもしれないよ?」
茜「それ、愛佳にも言われた笑」
あー今、私の考えと愛佳の考えは伝わったんだね笑 やっぱり誰でもそう思うよね...
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作者名:結冬 -yuto- | 作成日時:2019年1月19日 14時