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茜の部屋に案内され、ふかふかのベッドに座る。
茜｢なに飲む？｣
A｢あーじゃあ、ココアもらおうかな｣
茜｢わかった、ちょっと待っててね｣
そう言って部屋を出た茜。うーん、やっぱり具合が悪いとかそういうわけではないみたい。精神的ななにかなのかな...それともただのサボり？ううん、違うよね。だってさっきクラスで喋ってた時もみんな言ってたもん、茜は滅多に休む子じゃないって。
茜｢お待たせ。｣
これ、美味しいココアだ。匂いでわかる。
A｢ありがとう。｣
茜｢それで、Aが聞きに来たのは、私が休んだ理由だよね？｣
A｢うん、まぁ、そういう感じ。｣
教えてくれるのかな、
茜｢知ったところで、なにもないと思うけど、｣
A｢言いたくないなら、無理に言わなくてもいいんだよ、私が急に来ちゃったんだし。｣
茜｢ううん、うれしかったよ。｣
ほんの少し顔を赤らめて言う茜。なにそれかわいい。ずるい。私が恋してるとも知らないで...そんな顔、ほんとは自分以外にしてほしくない。けど、恋人でもなんでもない私はそんなわがまま言えない。それに...茜にはすきな人がいる。わかってる。わかっていても、しばらく諦められそうにないけどね。
茜｢私ね、自分の気持ち、わかんなくて。｣
A｢自分の気持ち？｣
茜｢うん、中学生の頃、付き合ってた人がいたの。その人は何でも優しく包み込んじゃうような素敵な人で、隣にいるだけで幸せだった。｣
どこか懐かしさを感じるように、愛おしそうに茜が言った。あぁ、茜はこんな顔もするんだ。
茜｢でも、ある日、フラれたの。｣
A｢え...どうして。｣
茜｢浮気してるよって言われて...すごく悲しくて。でもね、私ずっとすきだったのその人のこと。浮気されてても。だから、もういっかいやり直そうって言ったの。でもだめだった。その子は浮気相手の方がすきだったみたい。今はお互い恋人いないんだ。そして、私たちは親友に戻ろうって約束した。｣
寂しそうに目を伏せる茜を見るのが、とても苦しかった。辛いことを抱えていたんだなって、悲しくなった。
茜は、まだその人のことがすきなのだろうか。
いや、でも一目惚れしたっていってたし、違うのかな、
A｢そうだったんだ...その人が茜にとってのトラウマの人？鈴本さんが茜を守るって言っていたのはその時のことが関係してるの？｣
茜｢うん、そうだよ。鈴本は不器用だけどすごく優しいの。｣
茜はみんなから愛されてるな。
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作者名：結冬 -yuto- | 作成日時：2019年1月19日 14時
