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ずっとわからなかったモヤモヤの正体がわかった。でも、まだ会って2日しか経ってないのにすきになるなんて、おかしな話だよね...これが、一目惚れってやつなのかな...だって私、茜のこと初めて見た瞬間、胸がぎゅうってなったもん。この切ない気持ちのことを『恋』っていうのかな...
気づいたところで、茜にはもうすきな人がいるし、それに茜もその人に一目惚れしたらしいし。朝の出来事で、相手が私じゃないということは確定した。にしても鈴本さんはなんで私だと思ったのか、それが気になった。オダナナにも結局なんにも聞けなかったし...
茜｢A？そろそろ帰ろ？｣
少しぼーっとしてたみたい。茜が心配そうに声をかけてくる。
A｢あーごめんごめん！ちょっと考え事してた。帰ろっか｣
茜｢うん。｣
お会計を済ませて、店を出た。私と茜の家は反対方向みたい。普通なら、ここでバイバイするんだろうけど...
A｢...家まで送ってく！｣
茜｢えっ、でも反対方向だし、もう暗くなるよ？｣
A｢いいのー！私がそうしたいから。｣
そう言えば、少し考えてから頷いてくれた。よかった、私はもっと茜と一緒にいたい。
そこから他愛ない話をして茜の家までの道を歩いた。
茜｢あ、そういえば朝はほんとごめんね。鈴本の勘違いで...｣
あぁ、あのことか。勘違い...ね。そうだよね。
A｢全然気にしてないよ。でも、茜が恋してるなんてね。｣
なんて、ちょっとふざけたように言ってみる。
茜｢うん、私も恋なんてもうしないと思ってたからびっくり。｣
A｢そうなの？｣
茜｢うん、一目惚れなんて初めて。｣
茜が少し寂しそうに微笑んだ。どうしてそんな顔をするの？相手は誰なの？聞きたいことはたくさんあった。でも私はなにも言えなかった。
私も、一目惚れなんて初めて、だよ...
A｢私、茜の恋全力で応援するからね！｣
嘘。応援なんてできない。だって私は茜のことがすきだもん。本当は誰にも取られたくない。
茜｢...ありがと。｣
そこからは少し無言が続いた。そして隣にいた茜が足を止めた。
茜｢私の家、ここだから。今日はありがとう。わざわざ送ってもらっちゃったね。｣
A｢ううん！茜と色々話せてうれしかったし、パフェも美味しかったよ！また誘ってね｣
茜｢うん、ありがとう！気をつけて帰ってね｣
A｢うん！ばいばい！｣
茜が家に入るのを見届けて、私も歩き出した。
足音だけが虚しく響く。
私の恋は、叶わない。
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作者名：結冬 -yuto- | 作成日時：2019年1月19日 14時
