あの人は婚約者、あの人は…結ばれない好きな人 2【マレウス・ドラコニア】【ヴィル・シェーンハイト】 (ページ49)

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2ｰ46家臣ページ49

「……マレウス、お主も明日で良い、先に帰るんじゃ。頭を冷やせこの愚か者。…マレフィシア様の事じゃからな、詳しい事は揉み消すだろうがお主がやった事は罪に問われる。覚悟しておけ」

「…あぁ」

「それにしても、どうしてこんな事…それに、A様が言ってた"今までやられてきた分"って、なんの事ですか…？お2人は、お互い愛し合って、いますよ、ね……？」

「……愛しておるのはマレウスの方だけよ。Aは愛なんて物をここに居るわしら全員に向けてなどおらんわ。……誰かさんのせいでな」

「……え、？A様、が？…う、嘘です！！僕達に優しく接してくれていましたし、いつだって優しく笑いかけてくれて……優し、く…………」

「……思い当たる節はあるようじゃな、セベク」

「っ…、確かに、A様は顔は笑っていても、目が笑っていなかったです。

でも…それでも僕は、誰にでも優しく聡明なお方で……若様を支えるに相応しいお方だと、そんなA様をお慕いしておりました。も、勿論尊敬の意味です！」

「……俺も、A様をマレウス様の所へお連れする時、A様の表情は、その……正直怖かったです。でもそれと同時に、何かを諦めてるような顔もしていました。

……マレウス様、一体どういう事なんですか？何故A様はあんなにも……貴方へ怯えながらも怒りを向けていたのですか」

そう言ったシルバーに引替え、マレウスは一言も言葉を発さなかった

「……全く、そう黙るくらいならあんな事しなければ良かろうに。Aの魔法で音漏れはしないだろうがここでは誰が聞いているかわからん。ホリデーに入った時、改めて話すとしよう―――――――」

「―――只今、私A・グレースが戻りました」

私は制服の短いスカートを少し持ち上げ、ドレス同様同じ挨拶をしていた

あれから誰かに先に帰るとも言わずに、鏡舎へ足を踏み入れ颯爽と帰っていた

勿論ヴィルにも伝えていない。後で連絡入れておくつもり

……とはいえ、ここは居心地が悪い

「おかえりなさい！あぁ、久しぶりに愛しい娘に会えて嬉しいわ！！それにしても、ホリデーまでまだ数日あるのにどうしたの？も、もしかしてまた穢らわしい男達に何かされたの？！」

私に勢いよく抱きつきながら、嵐のように言葉を発するお母様はまるで入る隙がない

「詳しい事はお父様がお帰りになられてからお話します」

To Be Continued⏩