あの人は婚約者、あの人は…結ばれない好きな人 2【マレウス・ドラコニア】【ヴィル・シェーンハイト】 (ページ32)

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2ｰ29息苦しさページ32

「…………は…？」

ヴィルの名前を出した瞬間、私は頬を叩かれていた

「何度言えば分かるんだ！！…他の男の名前を呼ばないでくれ……目の前にはこの僕がいるんだぞ！！僕に見せない顔を彼奴にだけ見せるな！！どうして彼奴だけ…彼奴だけにっ…！！！」

「…っヴィルは！私の友達です！！私のっ…私の、大切な親友なんです…！！！だから…だから！！ヴィルには……手を出さないでくださいっ……私には何をしてもいいから…ヴィルだけはっ…！！」

これ以上マレウス様がヒートアップしてヴィルにもしもの事があれば、きっと私は正常で居られなくなる

…だから、ヴィルを守るためなら何でもする。絶対に

「…だったらシェーンハイトとは顔を合わせるな。僕達は3年だ、あと数ヶ月でこの学校を出て研修に行くことになる。もし私的な会話でもすれば二度と会えないようにしてやる」

え……二度と…？じゃあ、もうヴィルには会えなくなる、の…？

「え…そんな！！い、嫌です！初めて出来た友達なんです、だからそれだけは…！！！」

嫌、嫌っ…！！初めて出来た好きな人なのに、初めて、愛せる人を見つけられたのにっ…！！ヴィルが居なきゃ、私は、私はっ…！！

「僕に口答えをするな！！」

「い゛っ…！！」

こめかみ部分を拳で殴られ、近くにあった椅子にぶつかり大きな音を立てて倒れた

脇腹から嫌な音と激しい痛みがした。椅子の背もたれの角にぶつかった衝撃で、肋骨が折れてしまったのだろう

倒れた衝撃で受け身も取れずに背中を床に打ち付けてしまった

私が痛みに悶える隙も与えずに、マレウス様は馬乗りになって逃がさないようにした

そして

「ぅぐっ…！！かっ…マ…レウス様……！！！」

首を絞められた

「苦しいか？そうだろうな。あと少し力を入れればお前は窒息死する。…さぁ、僕の目を見るんだ。ほら、ちゃんと声に出して言うんだ、僕を愛していると」

「ぁ……ゃ…」

こんなに……こんなにも、異常な貴方をどうやって愛せばいいの

ご機嫌取りをしなくちゃいけない愛なんて…意味が無いのにっ…

「…ほら、言え。…………何を黙っている。さぁ、早く、言うんだ。……A！！！」

名前を呼ぶと同時に、折れているであろう肋骨部分を力強く掴んできた

痛みに耐えられず、遂に言ってしまった

「い゛っ、あ゛ぁ゛…！！！！………私…は、マ…レウス……様、を…………………愛して、、いま、す…」

To Be Continued⏩