あの人は婚約者、あの人は…結ばれない好きな人 2【マレウス・ドラコニア】【ヴィル・シェーンハイト】 (ページ16)

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それからケーくんは私を優しく抱いてくれた

お互い、最初で最後だと分かっているからなのか、ケーくんが気を使っているのか、私には分からなかった

でも、気が付けば涙が出ていた

「えっ…もしかして今の痛かった？！ごめんっ、大丈夫？」

「違う……違うの…そうじゃなくてっ……

普通は、こんなにも優しく抱いてくれて、、気持ちのいいものなんだなって………いつも痛くて、何も…感じなかったから……嬉しくてっ…」

「Aちゃん……」

ケーくんはよく分からない顔をしていた

いつも笑顔でチャラいケーくんが、泣きそうな、傷付いている顔をしていた

「…私も、本当に好きな人が……愛し合える人がいたら、もっと気持ちよくて、、幸せな気持ちになるのかなぁ…っ……」

私がそう言うと、もう耐えられないと言うかのように私をケーくんの胸に引き寄せ抱きしめた

「もう、何も言わないで……こんなに傷付いているAちゃん…見たくないよ！オレは、オレ達は！Aちゃんの優しい笑顔が好きなんだから…二度と叶わないなんて顔…しないでよ……」

涙ながらに、ケーくんはそう言ってくれた

肩が震えている……ケーくんが、私に同情しているのか、私の涙につられて泣いているのか…それはケーくんにしか分からない

でも、本心なんだって、、友達思いだっていうのが

胸を熱くするほど、伝わってきた

いつもは冷たかった

マレウス様の肌は冷たくて、どれだけ抱きしめられても暖かいとは思えなかった

なのに、ケーくんとだとすごく暖かい

心が安らぐ温かさだった

こんなに幸せの気持ちになるんだって、体当たりで教えてくれてる様だった

これが、好きな人なら…………＿＿＿だったら―――

「ねぇ、ケーくん。私も………好きな人とこうする幸せな日が訪れるのかな」

「大丈夫、きっと…来てくれるよ。いつか必ず、Aちゃんを幸せにしてくれる人が」

To Be Continued⏩