結びの弦 /羽生結弦 (ページ20)

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氷帝の王者 18 ページ20

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昔はよく男の子に意地悪されて泣いていた
兄さんに泣きついては兄さんが男の子を叱りに行って…
それの繰り返しだった

母「蓮斗は結構ぶっきらぼうな所あるから素直に喜べなくてごめんね？さぁ！お祝いご飯作ってあるから食べましょう！」

母がそう言うと次々とご飯が中に運ばれてくる
ほぼほぼ、私の好きな食べ物がほとんどだ

結弦「……麗」

麗「…ん？」

コソコソと耳打ちのように名前を呼ばれ聞き返す

結弦「俺、麗のことずっと守るから…だから俺のすぐ側で俺のことだけ見てて？」

麗「もちろん」

この時、机の下で2人で手を繋いだのは2人だけの秘密だ

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母「泊まっていけばいいのに…」

ご飯を食べ終わり私たちは寮に戻る為タクシーを呼んだ
NHK杯には出れなくなってしまったが全日本選手権の練習をしなくてはならないからだ

結弦「すみません…次の全日本選手権の為に練習しなくちゃいけなくて」

父「結弦くん、頑張ってきてくれ」

父と握手を交わしタクシーに乗る
すると兄さんがタクシーの扉を思いっきり叩いた

蓮斗「おい、羽生」

結弦「はい」

蓮斗「……頑張れよ」

ふはっと結弦が笑い「もちろん、頑張ります」と言ってタクシーが発進した

タクシーの中での結弦は次で使うプログラムの曲【SEIMEI】を編集していた
前の練習の時に使っていた音源に納得いったなかったらしく今回自分で編集をしているらしい

結弦「麗、ちょっと聞いてみて」

片耳に刺さってたイヤホンを外し私に付けてくれて音楽を流す
2シーズン前にもこの曲を使っていたみたいけどその時とは比べ物にならないぐらい良い出来の曲になっていた

麗「うん、凄くいい！結弦って感じする」

結弦「ほんと？じゃあ、これにしようかな」

保存ボタンを押してノートパソコンをしまうと今度は私の肩に持たれ掛かった
きっと疲れたんだろう、かなり眠そう

麗「眠い？少し寝る？」

結弦「うん…少しだけ」

私の肩にもたれ掛かり寝てる結弦を見るとなんだか幼く見える
今日は特に疲れたんだろう…記者会見に実家に挨拶、本当に申し訳ないなと思いながら結弦の髪の毛を優しく撫でる

麗「結弦…全日本選手権頑張ってね、私もみんなの栄養管理頑張るからさ…」

お互い頑張ろう、そんな気持ちが出た

※実際のお話と少し異なります
実際は全日本選手権もNHK杯も出てません