結びの弦 /羽生結弦 (ページ13)

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氷帝の王者 12 ページ13

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きっとゆづが何か言ったんだろう
今私の周りにはたくさんの外国人選手が質問攻めしてくる
英語がわからない私とっては苦笑いするしか出来ない

《You are her! ?》

《I have begun to go together when! ?》

麗「あはは……」

どうしよう……
なんて返せばいいんだろう

結弦《ごめんね、彼女は英語があまり得意じゃないんだ。質問なら俺にして》

発音のいい英語が聴こえるとみんなそっちの方に向かう
誰が喋ったんだろう…確認するとゆづだった
すると、パチッと目が合う

麗「っ！」

急に目が合ったからか恥ずかしくて逸らした
今の自分がどれだけ顔が赤いか鏡を観なくてもわかる

結弦「…麗」

麗「……何…？っっ！」

顎をクイッと上に上げられゆづを見上げるような形になった
あぁ、これはキスするな
何故かそう確信出来てしまった

結弦「んっ、はぁ…」

麗「ゆ…んっ…ゆづっ…みんな観てるから…」

濃くて長いキス
周りからの茶化し
きっと、結弦という男は独占欲が強い
この長くて濃いキスの意味は

『誰にも渡さない』

そういう意味なんだろう

キスが終わり、息を荒らげているとゆづは優しく髪の毛を撫で始める

結弦「麗…続きは後でね」

耳元での一言だ
ゾクッとしてしまい身震いする
不敵な笑みを浮かべるゆづ

麗「適わないなぁ…」

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その後はみんな練習をちゃんとし始めた
中には休憩時間に私たちの関係を聞きに来る人はいたけどその度に智子ちゃんやゆづが来てくれた
昼時間は私が作ったご飯を食べてその後はまた練習

NHK杯までそんなに時間が無いからかみんなの表情は時間が経つにつれ真面目になっていく

「麗！！」

ぼーっとしていたのかもう練習終了の時間になっていた
名前を呼んだのはゆづだ

結弦「どうしたの？ボーッとして…」

麗「んー考え事してたの……」

結弦「そっか…これで最後の練習にするから見てて？」

そう言うと、さっきまでリンクで練習していたほかの選手達はみんな出て行く
ゆづはリンクの真ん中でポージングをし始める
すると、次シーズンから使われる予定(オリンピックでも使用する予定)のFS曲【SEIMEI】が流れ始めた

そこからというもの、リンクは全て羽生結弦WORLD全開
ほかの選手も見とれてしまうほどの圧倒的な演技をする
普段は絶対しない表情を演技ではする
とてつもない表現力につい私は涙を流した

麗「凄い…」

これが、羽生結弦なんだということを実感した