よく分からない赤葦くん【ハイキュー】

24 ページ25

:




『……やば』






突然の事だった

体調がそろそろ限界だしひとまず

京治くんと花火を見るために人気のない場所から見ようって話をしていたらはぐれてしまった


手はもちろん繋いでいたけどここは人が集まるお祭り

時間が遅くなる度に人々が増えていっては、前に進んだり後ろに進んだりする人の勢いで、私の手と京治くんの手が離れ離れになった。


これはさすがにやばいと思って冷静になろうとしても携帯はない、荷物は京治くんが持っている

しかも人とぶつかったせいで浴衣が着崩れそうでむやみにウロウロ出来なくなってしまったけど、

そんなの無理……歩くしかない







『っ……下駄の紐が』









無理やり歩いて人混みを避けながらはしっていたからなのもあって、人に散々足を踏まれたせいで下駄の紐が外れ、もうボロボロになった…

靴はお姉ちゃんのお下がりだから新品ではない
それでもお姉ちゃんは綺麗に使っていたから壊れるなんてないと思っていたのに…


と少しショックを受けるが、そんなことしている場合じゃない


仕方なく裸足で歩こうとしたけど裸足のまま誰かに足を踏まれたらもっと痛い……それでも我慢

私はなるべく浴衣が着崩れないように小走りで下駄を手に持ちとりあえず人が少ない場所へ向かった







『……はぁ………………ここどこ』






数十分ぐらい走ってやっと人が少ない場所にたどり着いたのだけど、お祭りの影響で通れる道が限られていて知らないところまで来てしまった

京治くんを探すのに必死で、何やってるんだろうと、今日の私はいつもより違う気がする


心のどこかで京治くんとお祭りに行きたかったかのような気持ちがあるみたいでモヤモヤするけど、早く京治くんと合流しなきゃ。向こうも多分探してると思う









私は必死に京治くんを探していると
ﾄﾞﾄﾞﾝｯと大きな音がなり、空の上で火の花が咲いた








『…………あ…花火』









一緒に見ようなんて約束したのに…もう始まっちゃった。ここの花火の時間なんて数分程度しかない

早く見つけなきゃ行けないのに足が痛くて動けないし、綺麗に着飾ったはずの浴衣もボロボロで色々いっぱいになった私は涙が流れてしまった



もういいや……って諦めていた





その時だった









｢……A！！！！｣






『！』








京治くんの声が聞こえた

25→←23

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す