復讐と恋とヨングク (ページ6)

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★施設を出た日ページ6

学校に行けば親に捨てられた施設の子といじめられ、施設に帰って来ても、誰とも打ち解けることができずずっとひとりぼっちだった。

私は、親に捨てられた訳ではない。

でも、もういちいち説明する気持ちさえ起きない。

小学校の卒業式が終わり、春休みに入ったある日。

施設の庭のフェンスにもたれて、無気力にただボーッとしていた。

フェンス越しに、散歩していた老夫婦に話しかけられた。｢いつもそこにいて、つまらなさそうにしているね。｣と。

私には両親もいない、友達もいない、迎えに来てくれる人もいない。

このまま消えてしまっても、探してくれる人も、心配してくれる人もいない。

自分がどうしたいのか？これから、どうなるのか？も何一つわからなかった。

そんな私をこの施設から引き取ってくれたのは、フェンス越しに話しかけてくれたあの老夫婦だった。