ちーと25 ページ28
うらたさんに言われた言葉がやけに響くように思えた。
多分、図星だったりその通りなんだろう。
大きい訳でもないその声がやけに響いたんだからきっとそう。
「リア垢も特定されてるんです。
垢変えてみてください、DM欄見たら多分分かります」
これも1ヶ月くらい悩んでいたこと。
幸いXYZも仕事も家事もあったからリア垢まで最近手が回っていなかったし悩むと言ってもそこまでだったけど。
『うらたさんと同居してるのはなんでですか？底辺踊り手のくせに』
『きえればいいのに』
『職場も大学も住所も特定しました』
『カーナンバー○○○○ですよね』
『絶対許さない近付かないで』
うらたさんとの関係を恨むものもいればシンプルにアンチもいるし
特定班もいた。本当なのか分からないけど。
「…やばいな
これは……正直予想外…、これ仕事用のアカウントだよな？」
「はい、歌い手とかこの界隈の話一切してませんし見てもいません。」
「…ほんとなんでもっと早く相談しなかったんだよ…」
携帯をにぎりしめるうらたさんを見て何も言えなくなる。
僕が弱いからだな、今までファンしてくれてる子とかになんも出来出なかったからだなって。
しかも女だ。
過去に後ろめたいことがないとも言えない。
「だから、ずっと1人で女やめて堂々とあなたのそばにこれからもいたかった…」
思わず出た言葉に口をふさぐ。
普段お世辞にも開かれてるとは言えない目を思い切り見開いて僕を見る。
「……嫌だ」
「えっ？」
「それは俺が嫌だ。だからもうそれで悩むな」
携帯を返されると思えばそのまま片手を両手で握られる。
「山田Aは女だろ。俺が絡んで同居頼んだのはだーやまだし、浦島坂田船の次にそばにいてもらってんのはだーやまだけど
俺のそばで支えてくれてんのはAじゃん…」
そうだろ？、なんて目で言ってくる。
上目遣いなのに、可愛いよりかっこいい。
「…AAって…僕は私で女です。
貴方と一緒に住んでるのは女ですよ…」
もう涙が出そうだった。
センラさんだって家にいるのに。
DMの件だって勢いだと思ったけど一切知られたくなかった。
性別の事でうらたさんに迷惑を今後かけてしまうだろうと悩んでいたことも知られたくなかったし、悟られたくもなかった。
なのになぁ…
弱った声しかもう出てくれなくなっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 180人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
噂の強オタ美少女nqrseリスナーはnqrseの嫁らしいです【nqrse】【歌い手】
性◯行為を前提にお付き合いしてください！【となりの坂田。】 【歌/い/手】ぶりっ子の正体は......？2もっと見る
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
妄想太郎(プロフ) - ざゆさん» コメントありがとうございます！のんびりと更新していきますのでのんびりと読んでいただければ！ (2020年4月6日 0時) (
レス) id: d63c9f3263 (このIDを非表示/違反報告)
ざゆ(プロフ) - すごく面白いです。続き楽しみにしています。 (2020年3月8日 22時) (レス) id: d0019edafb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：妄想太郎 | 作成日時：2019年12月30日 20時
