実験体は逃げ出したい【降谷零】

夕方のお客様 ページ22

午後になって学校が終わったせいか、人が少し多くなる。


「やみたん聞いてよー」

「やみたん髪ピンクでウケる。」

「やーみーたーんー」


何時の間にか、やみたんが定着化されていて驚いた。別にあだ名で呼ばれるのは平気。寧ろ助かる。


自分の名前が公表されにくくなるからね。


後ピンクに頑張ってしてるんだよ。


「やみたん来たよ！」


「あー…本当に来たんだね。」


紅茶の約束をしてしまい、仕方ないけどお湯を裏で沸かす。


「でも俺が入れる姿見れないんじゃない？裏でお湯沸かしてるし…裏で入れると思うんだけど」


「しょうがないなぁ！我慢してあげる！」


何様ですか。あ、お客様ですね。はははと苦笑いをしてお湯が沸くまで仕事に取りかかった。




「はい。」


トルコキキョウの花弁を洗って軽く添えた。見映えは良いだろう。女子受けするね！きっと


「わー！何て言う花？」


「トルコキキョウ。紫は応援の意味があるんだよ。」

勉強頑張ってるからと言うとまたきゃーと黄色い声をだす。


「取り敢えず何もないなら飲んだら帰ってね。暗い時間に女性が歩いてたら危ないから。」


「はい！」

その後本当に飲んだら帰った。良かった。ずっといられても仕事の邪魔されそうな気もするし、何より男性が少なくなってきているから。


あの女子高校生達が帰った後に、スーツを来た人達がやって来た。俺が接客をすると、店長を呼んで欲しいと言われ、店長を呼びに行った。


「変なことじゃないと良いんだけど…」


そんな願い叶う筈もあるまい。

そうですか。→←紅茶の差し入れ

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