実験体は逃げ出したい【降谷零】

まさかと悪い方へ ページ15

コナンside

「んん…」


まだ夜明け前か…二度寝すっか。


あれ？やけに広い…

隣を見るといる筈の彼奴が居なくなっていた。まさかと思い靴を見ると無くなっていた。


「夜に出歩くって…！！自 殺行為だぞ！」


俺も靴を履き探すことにした。





「あー子狸くん。見つからないねー」


「キュン…」


不安になっているのかあまり鳴かなくなってきた。それこそ俺が不安になる。


「連れて帰りたいのは山々だけど勝手に連れてきちゃ駄目なんじゃなかったけ」


お腹減ったのかな…ミルクないや。狸って雑食だよね。


と、木の実をとり、潰してあげたら食べた。良かった。歯は生えてた。


また捜索を始めた。




「ｳﾞｰ」


後ろからふと唸り声が聞こえた。


「君がお母さん？」


としゃがむと威嚇をしてくる。可笑しい。周りに子供がいない。


「まさか…共食いするために…」


腕の中で震える子狸を抱え、ピョイっと木の上に登った。その狸も登っては来るが遅いのでゆっくりと考えられる。


そして転々と木を乗り継いで行ったので何時の間にか狸はいなかった。


今度は巣穴を見付けると中から目が光っていた。ああ。この子の親っぽい。


手から抜け出すと親にすり寄ってミルクをすがっていた。親も手をあげないので大丈夫だろう。


「バイバイ。」


日が登り始めてきたのを見て俺は急いで嗅覚を便りにキャンプ場へ戻って行こうとした。


ﾊﾟｼｭｯ

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