実験体は逃げ出したい【降谷零】

手続きをしなきゃ ページ40

「そうだ。嶺？…いや鈴？はたまた冷？」


「何？レイって」


こてんと首を傾げて俺の方を見る。


「名前だよ。苗字はしょうがないから俺のあげるけど…嫌だった？」


勢いよく横に顔を降る少女。


「何でレイなの？」


「ほら。0って入ってるでしょ？別に1でも良いんだけどそれだと一子とかになっちゃう。」


俺ネーミングセンスないからさと言うと納得された。純粋だからしょうがないけどやっぱり心にグサッとくるね。


「これは？」


「…この零がいいの？」


「お兄ちゃんがなんか見ていたような気がして。」


別にこれと言ったことないんだけどな？…この零はなんか…特別な感じがする。何でだろう。覚えはないのに。


「此方が良い」


「そっか。じゃあよろしくね冷ちゃん。」


「よろしく！お兄ちゃん！」


そのあと軽く自己紹介をして冷ちゃんが小学生だと分かった。３年生くらいだ。


「どうやって小学校に通わせるか…」


戸籍を偽証して…それから…


電話の着メロが鳴って吃驚して急いで連絡を見ると非通知から。


「もしもし…？」


「よぉ。ハイランドクーラー。」


「ウォッカ……！！」


しかしどうやって俺の携帯を…


取り敢えず急いで冷ちゃんをベットに寝かし、リビングで座って電話をもう一度手に取った。


「何のようだ…」


「さぁ初仕事だ。さっさと降りてこい」


今から俺は…と思うと手が震えた。でも冷ちゃんに酷い目を合わせるわけにはいかない。


俺は震える体を押さえ付け動きやすい服に着替えて下に降りていった。

割りと怖くない→←監視下に置かれている

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