その日の探偵社。 ページ3
敦「太宰さん、今日の任務とは?」
木々がアーチのように並ぶ通りを歩きながら中島敦は問う。
太宰「ある男がそれはそれは綺麗な宝石を今日のパーティで招待客に見せるらしいのだけど、その宝石を奪うって予告状が届いたみたいなのだよ」
敦「怪盗?」
太宰「そう。なんでも、ヨーロッパからアメリカなど海外を飛び回っては予告状を出し、予告通り綺麗に盗む大怪盗なのだとか」
敦「その怪盗が横浜に?」
太宰「うん」
敦「じゃあ、早く捕まえないとですね!」
敦が気合いを入れるようにぐっと拳を握って言うと、太宰は手を顎に当て言う。
太宰「それがねえ。その怪盗が奪った物の持ち主が必ず逮捕されるらしい。しかも、海外の警察はその理由を公にしない。どう考えても別件で逮捕されたとは考え難い」
敦「それはつまり…どういうことですか?」
太宰「これは乱歩さんと私の推測なのだけど…。というか、乱歩さんが言うのだから本当だとは思うのだけどね」
太宰が人差し指を立てて続ける。
太宰「怪盗が奪った物が、その持ち主が何処かから奪った物だとしたら…辻褄が合うんだよ。逮捕される理由も分かる。それに、それを公にしない理由もね」
敦「理由…」
太宰「敦くん、君なら怪盗をどう思う?」
敦「うーん…ヒーローみたいでかっこいいなと思います」
太宰「それだよ、敦くん」
太宰の口角が上がる。
太宰「“かっこいい”“会ってみたい”。そんな考えを持たれるのを警察はとても嫌う。怪盗の捜索の邪魔になるからね。どれだけいい怪盗でも、盗んでることには変わりないのだから」
敦「なるほど…。でも、海外でも苦戦してるのに、僕達にできるんでしょうか」
太宰「大丈夫。トラップはたくさんかけておくからね」
太宰は怪しく微笑んだ。
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クロマルコ(プロフ) - 面白かったです!頑張ってください!でもあんま無理はしないでくださいね! (2022年8月3日 12時) (レス) @page17 id: 8179e2047b (このIDを非表示/違反報告)
★ayaka★(プロフ) - 面白かったです。続き待ってます (2019年10月22日 0時) (レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
ルチル - これからの展開が楽しみです!続き待機してます。 (2019年4月2日 23時) (レス) id: 32dfaf95b0 (このIDを非表示/違反報告)
ラ八ル(プロフ) - すごく面白かったです!続きが楽しみです!これからも頑張ってください!! (2016年12月19日 18時) (レス) id: dcc66ec7ef (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ - おもしろかったです! (2016年12月17日 15時) (レス) id: 7140c513ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RaRaRa | 作成日時:2016年11月14日 19時