お出掛け、そして修羅場 ページ17
街中を並んで歩く。
…気まづい。
中原「行きたいとこあったら言えよ。」
ああ、また気をつかってくれているのか。
「もっと冷たいやつだと思ってた。」
中原「ああ？」
「マフィアのあるべき姿、そこから来る殺しは理解した。…でも、納得はできない。」
中原「言ってろ。手前ェの意見を取り入れるつもりはねェよ。」
「…なんで僕をマフィアに入れたの？」
中原「知るか、首領に聞け。」
ふと、中原中也が立ち止まった。
「何？」
中原「引き返すぞ。」
そう言って、すたすたと歩いて行く。
何が何だかわからない。
「ねえ、どうしたの？」
中原「手前ェ、糞野郎が来たら正体は隠せ。」
糞野郎？
「どういうこと？糞野郎って誰？」
中原「なんでもいいからとにかく隠せ、いいな？」
めんどくさくなったので、それ以上は追求しない。
一体なんだと言うのか。
しばらく歩いていると、目の前に見覚えのある人物が立っていた。
＿＿＿＿＿太宰治。
太宰「やあ、中也。可愛いお嬢さんを連れてデートかい？」
中原「…何だ手前ェ、わざわざ俺に会いに来たのか？」
太宰「誰がこんな需要のないチビに会いに来るのさ。」
隣で、ピキっと音がした気がした。
…怒ってるな。
中原「…で、何しにきたんだよ。こちとら手前ェの顔なんざ長時間見たくねェんだ。要件は。」
中原中也が急かすと、太宰治は怪しい笑みを浮かべて言った。
太宰「怪盗さんはそちら側についたんだね？」
中原「ﾁｯ、面識あったのかよ。」
「…ちょっとね。」
“そちら側についたんだね”
「ついたんじゃない。なんか知らないけどつかされたの。勘違いしないで、僕は殺しなんてしない。」
太宰「そんなに甘い世界じゃない。足を踏み入れたなら君はもう殺人鬼になりうる存在だ。」
「…っ。」
確かにその通りだ。
納得のいく言葉に言い返せない。
でも___.
中原「殺しをするかしないかはこいつが一番分かってンだよ、黙ッとけ。」
突然のことで驚いた。
どうしてそんなに…。
太宰「へぇ、中也、いいこと言うね。気持ち悪い。」
中原「なッ、…ﾁｯいちいちうるせェ、要は済ンだだろ、退けよ。」
太宰「そうだね。…怪盗さん、こちらに来るなら私は大歓迎だよ。」
そう言い残し、太宰治は去った。
終わり
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クロマルコ(プロフ) - 面白かったです！頑張ってください！でもあんま無理はしないでくださいね！ (2022年8月3日 12時) (
レス) @page17 id: 8179e2047b (このIDを非表示/違反報告)
★ayaka★(プロフ) - 面白かったです。続き待ってます (2019年10月22日 0時) (レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
ルチル - これからの展開が楽しみです！続き待機してます。 (2019年4月2日 23時) (レス) id: 32dfaf95b0 (このIDを非表示/違反報告)
ラ八ル(プロフ) - すごく面白かったです！続きが楽しみです！これからも頑張ってください！！ (2016年12月19日 18時) (レス) id: dcc66ec7ef (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ - おもしろかったです！ (2016年12月17日 15時) (レス) id: 7140c513ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RaRaRa | 作成日時：2016年11月14日 19時
