風柱の妹 ページ9
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稽古場に入ると、稽古に来ていた隊士達が休憩して
いた。一歩踏み入れるなり真っ先に寄ってきたのは
例のあの金髪君。
善「Aちゃ〜ん、結婚しようよぉ〜」
『え?』
善「だから結婚し((炭「善逸!!」」
『善逸さん、そんなに急がなくても、いずれいい相
手が見つかりますよ』
善「そのいずれが来ないかもしれないから今結婚し
て欲しいんだよ〜」
ダメだこりゃ。
頭を抱えて取り敢えず座った。
炭「ねぇAちゃん、不死川さんにはどうやった
ら勝てると思う?」
『兄さんに勝つためには…?うーん……難しいな…
兄さんは隙がないからね。』
炭「そうか…あっ、そうだ。Aちゃんはさ、普
段はどんな任務してるの?」
『柱の皆さんの補佐とか、ここだけの話、隊律違反
の処分、とかかな』
隊律違反の処分と聞いた途端、炭治郎君の目が少し
だけ見開かれる。そうだろう。処分といったら介錯
しかないから。
あまりいい気持ちはしないだろうな。
善「柱の皆さんの補佐って、何するの?」
『主に任務に同行して宿を取ったり、情報収集を手
伝ったり、ケガの応急処置をしたりしてる』
善「柱の皆さんもケガはするんだね」
『うん。特に兄さんは酷くてね』
善「げ…」
実「誰が酷いだァ?」
『ケガの話。』
実「…悪ぃなァ」
木刀を肩に担いで稽古場に入ってきた兄さん。
何時になくボーッとしているように見えるのは気の
せいだろうか。
「カー‼A!シハンガヨンデルヨー!ハヤクカ
エラナイトオコラレルヨー‼」
『嘘〜…兄さん、なんか師範が呼んでるって。また
明日あたり来れたら来るよ』
不「そうかァ、伊黒によろしく伝えとけェ。気ィつ
けて帰りなァ。」
『うん、また今度。』
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我妻side
Aちゃんが俺たちから離れて木刀を取りに行っ
た時、鴉が入ってきてAちゃんの腕にとまっ
た。鴉と話してる時の横顔も美人!
Aちゃんが師範に呼び戻されたみたいだ。
そしてあのオッサンが口にした名前は“伊黒”。
…マジで言ってんの?
Aちゃんの師範ってあの蛇柱だったの!?
あの人めっちゃ怖いのに。
Aちゃんが出て行ったとき、あのオッサンから
は少しさびしそうな音がした。
妹だもんな、そりゃ寂しいわ。
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作者名:三三七拍子(三度目の正直) x他2人 | 作成日時:2019年12月29日 21時